引っ越したあとで判明しました… 忘れられない「引っ越し時の失敗談」
引っ越しで失敗をしてしまうと、後々まで記憶に悪残りしやすいようです。宅地建物取引士をはじめ複数の不動産関連有資格者である並木まきが、賃貸住宅への引っ越しにまつわる失敗談をピックアップしました。
安さだけで引っ越し業者を決めて大失敗…
「前回の引っ越しのときに、家具を新しく買い揃えて予算オーバーしてしまったために、引っ越し業者は“安さ”だけを優先して決めました。すると、聞いたこともないような業者が検索でヒットしたので、値段だけを見て、そこにお願いをしたのですが…。引っ越し前の見積もりのときから対応が悪く、引っ越し当日も決めていた時間を大幅に過ぎてから到着するなど問題だらけ。家具や段ボールの移動も慣れていなそうなスタッフが多くて、ヒヤヒヤしながら見守りました。それに、当然ついているだろうと思い込んでいたサービスのいくつかがオプション扱いになっていて、自分でやらなくてはいけない作業も多く、大変でした。終始ヒヤヒヤしながらの引っ越しで、小さな問題はたくさん。やはり安さだけを優先するのは、私の性格的にやめたほうが良さそうだと勉強になりました」(34歳女性/秘書)
引っ越し業者選びを失敗すると、引っ越し当日に不安が生じるでしょう。節約を意識することも大切ですが、当日になって後悔しないよう、事前のリサーチを怠らないべきですね。
梱包のお任せパッケージの指示が甘かった
「以前の引っ越しで、ちょうど仕事が忙しく、自分で梱包をする時間が取れないと判断したため、梱包サービスを頼みました。作業にきた人も梱包も、丁寧だったのは良かったのですが…。私の指示が甘かったのか、いらないものや前の家に置いていくべきものまで梱包してあって、引っ越したあとに気づきました。しかもどこの箱に入っているのかわからなくて、急いで全ての箱を開けるハメに!引っ越しのときって細かいところにまで目が届かないので、事前にきちんと指示をするリストを作っておけば良かったと大後悔。間違えて新居に持ってきてしまったものを、電車で3時間以上かかる前の家まで置きにいくのは、時間的にも交通費的にも痛手でした」(36歳女性/自由業)
梱包サービスは便利な一方で、作業者と意思の疎通が図れないと、細かい失敗もあるかもしれません。あとから「あれどこに入っているんだろう?」とならないためにも、梱包作業が始まる前に、自分なりにリストを作るなり整理するなりしておくと安心でしょう。
挨拶がなかったとSNSで不満を書かれた
「以前住んでいたアパートでは、ご近所付き合いが盛んで、お互いのSNSも交換していました。近所の人たちには、引っ越しが決まったときに顔を合わせたタイミングで引っ越しすることは伝えていたのですが、どこの家にも引っ越しの挨拶を改めてはしませんでした。私たち家族が引っ越して1週間ほど経ったときに、前のご近所さんのひとりがSNSで“仲が良かったお隣さんが引っ越しをするときに、挨拶に来なかった”と愚痴を投稿しているのを見てしまって……。これって絶対に私のことだと思いましたし、こんなふうに思わせてしまうなら、ちゃんと挨拶をしてから引っ越しをすれば良かったです。以前住んでいたところは、良くも悪くも田舎で、横の繋がりが深かったのもあり、引っ越しの挨拶をしないで引っ越したことで不快に感じさせてしまったのかもしれません」(37歳女性/専業主婦)
引っ越し前の近隣への挨拶も、それまでのお付き合いの度合いによっては、したほうがスマートかもしれません。ご近所さんとの関係性や地域の風習に応じて気を配れると安心ですね。
引っ越しは人生でそう何度もすることではない人が多いこともあり、思わぬところで失敗をしてしまう場合もあるようです。事前にある程度予測できそうな失敗をシミュレーションしておくだけでも、当日のうっかりミスを防げるかもしれませんよ。©xixinxing/Adobe Stock ©buritora/Adobe Stock
文・並木まき