17日からの週は、ドル相場、円相場いずれも明確な方向性を示さなかった。日銀、米FOMC、英中銀などの金融政策発表が注目された。いずれも市場は政策金利据え置きを事前に織り込んでおり、結果もその通りとなった。その声明や会見などではトランプ関税に対する経済先行きの「不確実性」が高いことが示された。米FOMCでは金利見通しを従来からの年内2回に据え置いた。成長見通しを引き下げ、インフレ見通しを引き上げた。さらに、保有資産の縮小、いわゆるランオフのペースを縮小すると発表。当初はドル売り反応も持続性には欠けていた。パウエル議長は利下げを急がない姿勢を堅持した。その後、トランプ大統領が利下げ圧力をかけたが、市場は反応薄だった。日銀はいつもよりも早めの時間帯に政策金利据え置きを発表した。植田日銀総裁会見では、春闘の好調を受けて、見通し通り進展すれば金融緩和の度合いを調整すると繰り返された。その中で、トランプ関税に関して不確実性が高いとの認識も示された。ドル円は一時150円乗せとなる場面があった。英中銀も予想通り政策金利を据え置いた。今回の会合ではディングラ委員のみが25bp利下げを主張するにとどまった。世界的な貿易政策や地政学的な不透明感が高まったとし、短期的にインフレが上昇する見通しが示された。ドル相場は振幅を伴いながらも、週末にかけてややドル高方向に動いた。円相場はドル円が148円台前半から150円乗せ水準で激しく振幅、クロス円も目立った方向性を示さなかった。ユーロ対ポンドではユーロが軟調。ドイツ議会で財政改革法案が可決し、事前に買われていたユーロ相場に調整がみられた。ポンドにとっては英中銀の慎重姿勢とともに、来週の英春季予算案を前に動きにくい面があったようだ。ウクライナ情勢については、部分的な停戦が合意されたが、エネルギー関連以外には双方からの攻撃が続いている。トルコではエルドアン大統領の有力なライバルであるイスタンブール市長が突然拘束され、トルコ政府への信任が急低下し通貨・株式・債券がトリプル安となった。

(17日)
 東京市場は、円売りが優勢。ドル円は、午前に148円台後半を中心に揉み合ったあと、午後に円安方向に振れ、一時149.10付近まで上昇した。トランプ米大統領が18日にロシアのプーチン大統領と協議すると発言したことから、ウクライナ情勢への警戒感が後退し、円売りにつながった。トランプ米大統領はディールは「極めて見込みが高い」との認識を明らかにしており、戦争終結に向けて進展があるかどうかに注目が集まっている。ユーロ円は一時162.26付近まで、ポンド円は一時192.85付近まで上昇したあと、高止まり。ユーロドルは揉み合い。午後に一時1.0894付近まで強含む場面があったが、上値は限定的となった。

 ロンドン市場では、ドルが小安く推移。米10年債利回りが4.31%付近から4.28%付近へと低下する動きが手掛かり。ドル円は149円台乗せまで買われたあとは148.50割れへと反落。ユーロドルは1.08台後半から1.09台乗せへ、ポンドドルは1.29台前半から後半へ、豪ドル/ドルは0.63台前半から半ばへとそれぞれ上昇している。クロス円は全般に円安方向に振れている。豪ドル円は94円台半ばへと高値を伸ばした。ユーロ円は162円台前半、ポンド円は192円台に買われたあとは、ユーロ円は162円挟み、ポンド円は192円台半ばでの揉み合いに落ち着いている。欧州株が小高く推移する一方で、米株先物・時間外取引は先週末の上昇から反落している。OECD世界世界経済成長予測ではトランプ関税の影響を受けて今年と来年の成長見通しが引き下げられた。特にカナダとメキシコの落ち込みが激しくなる予測だった。このあとのNY市場では米小売売上高とNY連銀指数が発表される。市場はあすの米露電話会議やドイツ議会の動向待ちのムードが広がっている。