《両親のいる自宅で21歳女性を殺人・解体》犯行前に下剤を飲ませ、ワンピースを着せる…斎藤純被告が語った「2件の承諾殺人」のおぞましすぎる経緯【埼玉・頭蓋骨殺人公判】
さいたま市大宮区内のマンションの一室から、棚に置かれた頭蓋骨などが見つかったとして、同部屋に住む斎藤純被告(逮捕当時31歳)が逮捕された事件。承諾殺人罪、窃盗罪にて起訴され、さいたま地裁で行われた3月中旬の第1回公判で、斎藤被告は被害者の承諾の上、殺害したことを認めた。そして、この承諾殺人による被害者は当時21歳だった女性・Aさん、同じく22歳だった女性・Bさんの2名であることが明らかになった。
【写真を見る】逮捕当時、頬が痩せこけた斎藤純被告、頭蓋骨が飾られていた自宅マンション
4月27日に行われた第2回公判では、斎藤被告本人に対する被告人質問が行われた。3時間半にわたり開かれた公判で語られたその内容は、斎藤被告の冷酷な猟奇性を示すものだった--傍聴を行った裁判ライターの普通氏がレポートする。【全3回の第2回。第1回から読む ※本記事には一部ショッキングな内容が含まれます】
「タダでしてくれる人がいてラッキーです」
以降は弁護人からの質問でのやり取りを中心に、BさんやAさんの殺害の経緯をまとめた内容だ。
事件当日、Bさんの家に着いた被告人。あらかじめロープの用意をBさんに依頼していたものの用意していなかったので、家にあるもので代替することにした。その後、Bさんに遺書を書かせる。遺書を書いている最中、Bさんは涙を流す場面もあったという。
検察官から、それらはBさんの自殺へのためらいではないかと質問される。しかし斎藤被告は「遺書の宛先である友人に思いを馳せているのだろう」と意に介さなかった。今となって、Bさんの本意を知る術はない。
弁護人「遺書を書き終わった後はどうしたんですか?」
斎藤被告「睡眠薬を飲むことに」
弁護人「あなたはBさんに、具体的にどのように言ったのですか?」
斎藤被告「『お時間を取ってくれてありがとうございます。ここで、止めたければ言ってください』と」
弁護人「それに対してBさんは?」
斎藤被告「『こちらこそタダでしてくれる人がいてラッキーです』と」
Bさんは苦しんでいたら行為を止めるよう最後の依頼をして、被告人から手渡された睡眠薬を飲んだ。
承諾殺人はなぜ続いたのか
薬の効き目を待つ間、被告人はロープの代わりを探した。トレンチコートのベルトを見つけたので、それをトイレのドアに引っ掛け、輪っか状にする。
1時間ほど経ったあと、眠るBさんの反応がないことを確認し、斎藤被告は自らの手で首を絞めた。これもBさんからの依頼の通りだという。しかし、ここでBさんがうめき声を上げ、斎藤被告は怯んだ。
自身の手で首を絞めることは諦め、可動式のイスに乗せて、トイレのドアノブまで連れて行き、ロープに首をかけて、椅子を引いた。短くうめいた後、Bさんは静かになった。
その後、姿見にBさんが書いた遺書を貼り、緊張を落ち着かせるため外の空気を吸いに行った。
部屋に戻った後、Bさんの様子を確認するとまぶたが痙攣しており、死亡しているか判断できなかった。そのまま部屋に残るという選択肢も浮かんだが、終電がなくなるなどといった理由で帰ることにしたという。
翌日、再度Bさんの様子を見ようと家に行って玄関を開けると、Bさんの身体はそこになく、すでに知らせを受けておもむいていた父親と目が合った。斎藤被告はすぐに逃走。その後自殺と断定されたBさんの死亡は、ニュースになるなどせず、被告人はずっとBさんの死亡に確証を得られなかったという。
弁護人「Bさんの事件で、終わらせるつもりはなかったんですか」
斎藤被告「終わらせる気はなかったです」
弁護人「なぜ?」
斎藤被告「目的が殺人で、したかしてないかわからずだったので」
その後、掲示板やSNSでやりとりを続けながら、次の被害者であるAさんに出会うまで、約2年の月日を要した。
斎藤被告とAさんと死刑囚の繋がり
AさんとはTwitter(現X)でやり取りした。証拠として採用された2人のやりとりの書面は、140枚にも及んだ。
一度は決行を中止したAさん。「自分の行為で家庭を壊すことはわかっている」、「家族には大切に育ててもらったのに、どうしてこうなったのか」などと家族を思ってのことだった。
そのときの思いを「(自殺を止め)自分の手から離れるなら、(次の生活に向け)背中を押してあげたい」と供述する斎藤被告。しかしその一方で、計画がかなり進んでいたことや、Aさんが懸念する事項があったため「また気が変わったら」という思いもあったと供述。
そして、日付を変えて再度決行することとなる。
2人のメッセージの中で「首吊り士」という人物についての話題があった。この人物は、2017年に発覚した、座間9人殺害事件の犯人である白石死刑囚(刑執行済み)であったという。Aさんはこの「首吊り士」とやりとりがあったという。どのようなやりとりであったかはわからない。
斎藤被告が自殺志願の掲示板等で出会ったアカウントのことを、この「首吊り士」が多くフォローしていたため、斎藤被告もフォローして相互フォロワーとなった。斎藤被告はその正体を当初知らなかったというが、座間事件が発覚した後に白石死刑囚のSNSと嗅ぎつけていた各メディアより、斎藤被告本人が取材を受けたことによって、その事実を知ったのだという。
座間事件とは、9人の男女が犯人の自宅にて切断されたものであった。そして奇しくも、Aさんと斎藤被告の間でも、遺体の解体についての話題が行われていた。少なくとも裁判で明らかになったやりとりだけでは、斎藤被告がAさんを無理にこの解体の話題に付き合わせているとは捉えられなかった。
お茶とお菓子を用意し遺書を書かせる
Aさんに対する犯行は、平成30年1月4日、斎藤被告が両親と住んでいた実家で行われた。日程は、両親が4日から仕事に出るからということを理由としたのみで、なぜ両親と住む家で決行することになったかは判然としない。
遺体を解体するときのために、下剤を飲ませ、風呂に入らせる。遺体から服を脱がせやすいようにと、風呂上がりにワンピースを着させる。その後、お茶とお菓子を出しながら、便箋とペンを渡し、遺書を書かせた。
Aさんに「飲んだら続行、止めたければ帰っていいです」と言いながら睡眠薬を渡す。睡眠薬を飲んだAさんはベッドに横たわり、約1時間後ベッドの梯子にロープをかける形で犯行は実行された。
その梯子にAさんの身体を括り付け次の行為に移る。
弁護人「なぜ解体したのですか」
斎藤被告「遺体をそのままにできないので処理をしようと」
これも、さも当然のように答える。そこに緊張やためらいといった心情は感じ取れない。
弁護人「解体そのものに興味はあったんですか?」
斎藤被告「それはないです」
弁護人「解体をしたくて殺人を行ったということではないんですか」
斎藤被告「殺人目的のために殺したということです」
この犯行を終え、斎藤被告の殺人衝動は落ち着き、その後自殺志願者とやりとりすることはなくなったという--第3回記事では、両親の住む自宅でAさんを解体し、その頭蓋骨を飾った理由などについて詳報している。
(第3回につづく)
◆取材・文/普通(裁判ライター)
