『M 愛すべき人がいて』にはごく一部の人しか知りえなかった内容が綴られている

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 現在、自身最長となる2年越しのライブツアー真っ只中の浜崎あゆみ(40才)。全国各地の会場を駆けまわっているさなかの8月1日、一冊の本が出版される。タイトルは『M 愛すべき人がいて』(幻冬舎)。17才だったあゆのデビュー前夜からブレークを遂げた1999年まで約4年間の軌跡が綴られている。

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「驚くべきは“禁断の恋”。あゆとエイベックスの代表取締役会長・CEOである松浦勝人さん(54才)との壮絶な恋模様がつぶさに描かれていて、彼女の名曲誕生の裏側も明かされています」(レコード会社関係者)

 かつては「女子高生のカリスマ」と呼ばれたあゆ。歌はもちろん、ファッションやメイクまで彼女の一挙手一投足が世間の関心を集め、安室奈美恵さん(41才)や宇多田ヒカル(36才)らをしのぐ人気を誇った。

 あゆはまた、恋愛や結婚などプライベートでも多くの話題を呼んできた。なかでも最もよく知られているのは、TOKIOの長瀬智也(40才)との恋だろう。

「2人の関係は2000年から7年間も続きました。交際宣言をし、おそろいのタトゥーを入れて公然と関係をアピール。海外旅行から帰国した時、報道陣の前を手をつないで歩いた2人の姿は今も鮮明に覚えています。日本のアーティストも堂々として“ハリウッド女優”のようになった、格好いいなと思った印象的な出来事でした」(スポーツ紙記者)

 しかし、この恋は終焉を迎える。その後あゆは2度の結婚と離婚を繰り返し、そのたびに「長瀬との恋が尾を引いているのではないか」などと噂されてきた。しかし、本書では松浦さんとの恋こそ彼女の人生において最大の“柱”だったことがうかがえる。

 本の表紙を開くと、そこにあるのは《事実に基づくフィクションである》という一文だ。この本の著者は、ノンフィクションライターの小松成美さん。彼女は、著名人を丹念に取材するノンフィクションの名手として知られる。

「小松さんがあゆを長期間にわたって取材してまとめたのがこの本で、大部分は事実だと思われます。当時を知る人の間では“あゆの暴露本”とさえ囁かれています」(前出・レコード会社関係者)

 事実、本書にはこれまでごく一部の人しか知りえなかった内容が綴られている。

 福岡で育ったあゆは幼い頃に父親が蒸発し、母親と祖母の3人で暮らしてきた。小学生の時にスカウトされてモデルデビューを果たした後、母や祖母とともに上京。女優として活動し、家族を支えるようになる。そんな中、東京・六本木のディスコ・ヴェルファーレのVIP席で出会ったのが、当時エイベックスの専務でカリスマプロデューサーとしてヒット曲を生み出していた松浦さんだった。

 本書ではあゆのデビュー秘話についても触れられている。

《専務は、三人か四人のグループにして、そのボーカルに私を、と言った。(略)私には無理。グループの中では自分を表現できない。(略)小学校の通信簿にも、六年間、協調性の欄に「努力しましょう」と書かれていた。(略)一人でいれば、人の顔色をうかがわず、自分のペースで生きることができる》
 
 そう考えたあゆは、松浦さんに「一人で歌わせてほしい」と直談判し、ソロデビューが決まったという。
 
 やがて松浦さんに対して恋心を募らせるようになったあゆ。彼女は楽曲のほとんどの作詞を手掛けているが、当時の詞に綴られていたのは、松浦さんへの切ない恋心だった。

《頭に思い浮かぶ語彙のすべては、その人への想いの偽りのない反映だ。(略)ノートに書いた文章は、つまりラブレターだった》

 1998年、ついにデビューを果たしたが、当初の評判は芳しくなかった。一方で、彼女にかける松浦さんの情熱はすさまじく「浜崎あゆみは人気が出ない」と言い放つテレビマンに殴りかかろうとしたこともあったという。
 
 次第に思いを抑えきれなくなったあゆは、松浦さんに気持ちを伝える。そして、離婚し独身に戻っていた松浦さんは、あゆに運命的な告白をした。

《私がドアを開けると、スーツを着た専務が立っていた。そして、(略)母に一礼すると、こう言った。「あゆみさんと付き合っています。真剣です」》

 互いの思いを確認した2人は同棲を開始。あゆは15才年上の松浦さんのことを「マサ」と呼び、忙しい合間を縫って愛を注ぎ合った。交際に気づいたエイベックスの幹部らが猛反対したが、松浦さんは周囲を説得したという。

《恋愛に勝るパワーはない。マサのそんな呟きを一、二度聞いたことがあって、私は勇気凛々だった》

 ブレーク目前の歌姫とプロデューサーの禁断の恋。決して世間に知られないよう細心の注意を払い、あゆは携帯電話の電話帳に愛する彼を「M」と登録していたという。

 しかし、禁断の恋はほどなくして終わりを迎える。互いに仕事に忙殺され、一緒に過ごせる時間はほとんどなく、すれ違いが生じ始めたのだ。

 1999年のある夜、松浦さんが寝泊まりしているマンションを訪れたあゆの目に飛び込んできたのは、スタッフや美女たちと飲み会に興じる恋人の姿。ショックを受けたあゆは誰にも告げずに2日半にわたってホテルに身を隠した。

「これは関係者しか知らない実話です。この時の思いを詞に落とし込んだのが翌年4月から3か月連続でリリースした『vogue』『Far away』『SEASONS』で、詞がかなり暗く、ファンの間では“絶望3部作”として知られています。この本により、あゆが抱えた絶望の理由が初めて明らかにされました」(レコード会社幹部)

 純粋な思いを貫こうとするあゆと、プロデューサーとして“アーティスト・浜崎あゆみ”をより高みに押し上げようと奮闘する松浦さん。2人の心の間には埋めようのない大きな溝が生じ、やがて破局を迎えた。1999年の暮れのことである。

「松浦さんと別れたあゆは、その後、カリスマアーティストとなり、エイベックスの全売上の4割を叩き出すほどの存在になりました。今思えば、あゆが松浦さん一人を思い続けていたら、数々の名曲は生まれなかったかもしれません。そう考えたら、別れは正しい決断だったともいえるのではないでしょうか」(前出・レコード会社幹部)
 
 別れから、20年を迎えようとしている現在、2人はアーティストとプロデューサーとして再びタッグを組んだ。

「最初、彼女は松浦さんとの恋を赤裸々にするのにかなり悩んでいた。でもすべてをさらけ出すことが“あゆ流”。それを思い出し、唯一隠してきた“禁断の恋”を語ることで、第二章のスタートラインに立つ決意を示したのだと思います。人気絶頂期にやめる歌姫が格好いいのは当然ですが、すべて赤裸々にさらけだし、泥くさくてもアーティストとして走り続けるあゆを、やっぱりすごく格好いい女だとわれわれは思います」(前出・レコード会社幹部)
 
 あゆの名曲の歌詞を引用しながら、歌姫の知られざる情熱と孤独を綴った本書。読み終わった時、もう一度若き日の彼女の曲が聴きたくなる。

※女性セブン2019年8月15日号