海外に財団を設立し、資産を移せば日本の課税は及ばないのか――。この問題が争われたリヒテンシュタインの財団をめぐる課税訴訟では、「実質的支配」だけでなく、そもそも税制の適用要件を満たしているのかが問われました。東京高等裁判所は、国税当局による追徴課税を取り消しましたが、その理由は単なる実質判断ではなく、タックスヘイブン対策税制の適用枠組みそのものに踏み込むものでした。この点で、実質支配を重視した東京