犯人はマンションの元清掃員男だった。熊本大の研究員楢原知里さん(35)が首を絞められ殺害された事件で、熊本県警熊本南署捜査本部は13日、楢原さんの遺体を遺棄したとして、死体遺棄の疑いで熊本市の無職、熊谷和洋容疑者(67)を逮捕した。

 熊谷容疑者は楢原さんが住むマンションの清掃員を今年6月ごろまで務めており、楢原さんとは面識があり、お互い連絡先を知っていた。調べに「死体を捨てた」と容疑を認めているという。

 捜査本部によると、熊谷容疑者は12日夕、以前住んでいた県北部で見つかった。「ニュースや新聞を見て逃げた」と話しているという。

 楢原さんのリュックは、勤務先近くにある熊本大病院の立体駐車場で発見されていた。現金入りの財布やノートパソコンが残されていたという。通行人が落とし物として大学側に届け出。9日に大学側から県警に連絡があった。楢原さんは6日午後5時ごろまで勤務先の「熊本大学ヒトレトロウイルス学共同研究センター」にいたことが確認されていた。

「立体駐車場で姿を消したとみられ、犯人が車で連れ去った可能性や、楢原さんのリュックに携帯電話や自宅の鍵が入ってなかったのは、犯人が持ち去った可能性があった。これは携帯電話で会話したか、電話帳に名前がある知人が犯行に関与している可能性を表していた。その中で行方をくらましていた人物として熊谷容疑者が浮上した」(警察関係者)

 事件は7日午前8時半ごろ、市道脇の側溝に人が倒れているのに通行人が気付き、同9時10分ごろ110番して発覚。駆け付けた署員が遺体を確認した。司法解剖の結果、死因は首を絞められたことによる窒息死だった。

 楢原さんは今年4月に長崎大学熱帯医学研究所から熊本大学に赴任したばかりだった。熊谷容疑者は殺害にも関与しているとみられ、動機や目的の解明が待たれる。