フォルクスワーゲン新型EV版『ゴルフ』 2020年代末まで投入せず 現行ラインナップで「十分」とCEO明かす
2028年登場とみられていたが……
フォルクスワーゲンは、『ゴルフ』のEV版を2020年代末まで発売する予定はない。同ブランドのトーマス・シェーファーCEOが確認した。
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以前、情報筋はAUTOCARに対し、『IDゴルフ』と呼ばれる見込みのこのEVが2028年に発売されると伝えていた。

9代目となる次期型ゴルフのシルエット画像 フォルクスワーゲン
しかし、シェーファー氏は先日ロンドンで開催された英紙『フィナンシャル・タイムズ』主催の『Future of the Car』イベントで、「フォルクスワーゲンは現在、素晴らしいラインナップを揃えており、2028年に電動ゴルフは必要ありません。現在の車両ポートフォリオで十分に体制が整っています」と述べた。
フォルクスワーゲンのEVラインナップには今年、新型『IDポロ』、改良型『ID.3ネオ』、そして間もなく登場する『IDクロス』など新たなモデルが加わる予定だ。シェーファー氏のコメントから、先にこれらのモデルを市場に浸透させる方針であることがうかがえる。フォルクスワーゲンで最も人気があり、知名度の高いゴルフの扱いには慎重になっているようだ。
ゴルフEVの投入が予想よりも遅れるもう1つの理由は、ベースとなるSSPプラットフォームの開発延期にある。このSSPはフォルクスワーゲン・グループの次世代車両の基盤となるもので、同グループのCEOであるオリバー・ブルーム氏は以前、これにより内燃機関車とEVモデルの価格差が解消されると主張していた。
プラットフォーム開発も理由に
SSPには、800Vの高電圧システム、より高度なバッテリー技術、そして米リビアンとの共同開発による新しいソフトウェアアーキテクチャーも搭載される予定だ。当初は今年中のデビューが予定されていたが、開発上の理由により延期され、現在では2028年まで市販車に導入されない見込みだ。
シェーファー氏は、このSSPを採用する最初のモデルは同グループの高級ブランドであるアウディとポルシェから登場することを明らかにした。

現行型フォルクスワーゲン・ゴルフ(8代目)
「SSPは(VWグループ)の全ブランドに展開していく予定です。まずは高級ブランドから始め、アウディ、ポルシェ、そしてフォルクスワーゲンと続きます」
SSPの導入に時間がかかっている理由について、シェーファー氏は「時間がかかっているように聞こえるかもしれませんが、わたし達としては規模を重視しています。この業界では規模がなければ、利益率の均衡を図ることはできないからです」と説明した。
同氏はまた、「競争の激化」、特に中国の新規ブランドからのプレッシャーにより、EVの価格設定を見直す必要に迫られたと付け加えた。フォルクスワーゲン・グループは材料費や投資といったプラットフォームのコスト計算を「やり直さなければならなかった」という。
今年3月には9代目となる次期型ゴルフの予告画像が公開され、ドイツのヴォルフスブルク工場で生産されることが明かされた。EVの登場と同時に、現行の内燃機関搭載モデルも大幅な改良が施される予定で、その生産はメキシコに移管される。
