今度はクラブ紛失。どこまでも不運なマキロイ
マスターズの敗北は厳密に言えば「不運」ではなく、経験や実力、精神力の不足によるものだったのかもしれないが、「10番のティショットだけが悔やまれる」と振り返ったあのわずか1球がすべての大崩れのきっかけだったことを思うと、慰めの言葉は「運が悪かったね」しか思いつかない。その不運に続くゴルフクラブの紛失。ただでさえ大敗からの立ち直りに時間を要する状況なのに、さらなるアクシデントに見舞われたマキロイが不憫に思えてしまう。
振り返れば、昨年末に「2011年は欧州ツアー専念」を発表し、米ツアーメンバー資格をギブアップする決断をした陰には、北アイルランドの地元に住む恋人の存在があった。しかし結局、学業に専念したいという彼女とは今年始めに決別。当面、マキロイはゴルフだけに打ち込むことを心に誓ったというのに、その矢先の不運続きだ。
やがて消滅する米ツアーメンバー資格、恋人、グリーンジャケット、ゴルフクラブ。マキロイは大切なものを次々に失っている。だが、これだけ犠牲を払ったのだから、いつか必ず報われると信じたい。少なくともマレーシアオープンでは高額のアピアレンスフィーだけは手に入るらしい。とはいえ、傷心のマキロイに必要なのは金銭ではなく、心の充足だ。ゴルフの神様がいるのなら、不運にもめげず、若いにも関わらず大人の対応をしているマキロイに、ビッグで素敵なご褒美を与えてあげてほしいものだ。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)