「年収800万円」ですが、貯金は“200万円だけ”です…母に「普通は1000万円くらい貯まってる」と言われましたが、実際“平均・中央値”はどのくらいですか? データで分かる真実とは
「貯金1000万円」は本当に普通? 全体の中央値を見る
まず、全体像から確認してみましょう。同調査によると、二人以上世帯の金融資産の中央値は約720万円です。
中央値とは、全体を金額順に並べたときにちょうど真ん中に位置する値であり、平均値よりも実態に近いとされています。この数値から見ると、「1000万円」が一般的なラインとは言いにくいことが分かります。
さらに注目したいのが、「金融資産を保有していない世帯」が15.7%存在している点です。つまり、一定数の世帯は金融資産を保有していない状態にあり、家計の状況には大きなばらつきがあることがうかがえます。
年収500万~750万円世帯の実態は?
次に、年収別に見ていきましょう。年収500万円~750万円未満の世帯では、金融資産の中央値は約800万円となっています。この層では、金融資産が1000万円以上ある世帯は44.5%と、半数近くに達しています。
一方で、金融資産を保有していない世帯も12.4%存在しています。つまり、同じ年収帯でも「しっかり貯めている世帯」と「ほとんど貯められていない世帯」が混在しているのが実態です。この年収層では、「金融資産の中央値は800万円程度だが、1000万円以上も珍しくない」というのが特徴といえるでしょう。
年収750万~1000万円世帯ではどうなる?
それでは、年収800万円を含む層である「年収750万円~1000万円未満」の世帯はどうでしょうか。この層では、金融資産の中央値は約1200万円となっており、1000万円以上の金融資産を持つ世帯は55.9%と過半数を占めています。
この結果だけを見ると、「年収800万円なら貯金1000万円は普通」と感じるのも無理はありません。しかし、ここでも金融資産を保有していない世帯が9.3%存在しています。年収が高くても、必ずしも貯蓄ができているとは限らない点には注意が必要です。
なぜ同じ年収でも差が出る?
同じ年収帯であっても、金融資産額に大きな差が出る理由はいくつか考えられます。まず大きいのが支出の水準です。
例えば、住宅ローンの有無や教育費、生活スタイルによって支出は大きく変わります。収入が高くても支出が多ければ、金融資産は思うように増えません。また、貯蓄や投資の習慣も重要です。毎月一定額を積み立てている世帯と、余った分だけ貯める世帯では、長期的に見ると大きな差が生まれがちです。
さらに、年齢による違いも見逃せません。若い世帯と定年に近い世帯では、金融資産額が変わることもあるでしょう。
まとめ
年収800万円前後の世帯では、金融資産を1000万円以上持つケースが多いのは事実ですが、それが「全員にとって普通」とは言い切れません。
重要なのは、「他人と比べてどうか」ではなく、自分の家計に合った貯蓄ができているかどうかです。収入が同じでも、支出やライフスタイルによって最適な貯蓄額は変わります。データはあくまで目安として活用しつつ、自分にとって無理のない形で資産形成を進めていくことが大切といえるでしょう。
出典
金融経済教育推進機構 家計の金融行動に関する世論調査
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
