米陸軍、ベトナム戦争以来の新型手りゅう弾を導入 衝撃波で殺傷

(CNN)米陸軍は先月、ベトナム戦争以降初めて新型の手りゅう弾を導入した。プラスチック製の兵器で、破片ではなく衝撃波を使って敵を殺傷する。
「M111」は、巻き添え被害の危険が小さいことから、部隊が屋内空間を制圧して領域を確保しなければならない市街戦に適している。
米軍に新型の手りゅう弾が導入されるのは、1968年に「MK3A2」がベトナム戦争に投入されて以降初めて。MK3A2はアスベストを含んでおり、その微細な繊維が肺に入り込んで、がんなど重篤な病気を引き起こす可能性があることから70年代に使用が中止された。
その使用中止によって、現在の主力手りゅう弾「M67」が残った。M67は爆発時に全方位へ破片を飛ばすため、例えば金属やコンクリートのような硬い物体に当たってはね返ったり、薄い壁を貫通したりした際に、周囲の民間人や味方の勢力を死傷させる恐れがある。
衝撃波、すなわち爆風加圧は、爆発の力によって敵を殺害したり無力化したりするもので、兵器のプラスチック製外殻は気化する。
包囲された空間の外側にいる部隊は、新型手りゅう弾をそこに投げ込むことができ、敵は内部の壁や家具、家電製品の陰に隠れても身を守れない。軍によると、破片はそうした障害物を貫通できない場合がある。
陸軍のファクトシートは「高圧波が人に達すると、組織を激しく加圧し、減圧する」と説明している。「より小規模な爆風であっても、鼓膜、肺、目、消化管は、破裂し深刻な損傷を受ける危険が特に高い」
さらに大きな爆風は、脳に損傷を与えたり、四肢を切断したりする可能性さえあるという。
この手りゅう弾には、米軍が何十年にもわたって広く使用してきた爆薬「RDX」が使われている。
ニュージャージー州ピカティニー・アーセナルで今回のプログラムの責任者を務めるビンス・モリス大佐は軍の声明で、この手のひらサイズの円筒形弾薬は、過去の中東での戦争経験を踏まえて開発されたと述べた。
「イラクでの近接戦闘を伴う市街戦で得られた重要な教訓の一つは、M67が任務に対して必ずしも最適な道具ではなかったということだ。壁の向こう側にいる味方を攻撃するリスクが高すぎた」(モリス大佐)
M67がなくなるわけではない。声明によると、開けた地形では「破片による殺傷効果を最大化する」ために引き続きM67を携行する。M111はあくまでも屋内用だ。
