現在はサバゲーのインフルエンサーやモデルとしても活躍中のりりあんぬ葵さんですが、過去には体重が加速度的に増えていき「ベイマックス」と呼ばれたことも。体重85キロから48キロまで37キロの減量するまでの生活とは── 。(全2回中の1回)

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当時のあだ名はベイマックスだった

サバゲーで減量する前

── エアガンを手に、フィールドを駆け回るサバイバルゲーム、通称「サバゲー」。まったくの未経験だったサバゲーにのめり込み、半年で約40キロの減量を達成したインフルエンサーのりりあんぬ葵さん。その劇的な変化をSNSで発信し、一躍話題となりました。現在は、サバゲーを中心に活動されていますが、それまでは、どのようなことをされていたのでしょうか?

りりあんぬ葵さん: 大学卒業後、母の翻訳や通訳の仕事を手伝っていました。今も翻訳の仕事は続けていますが、メインは、サバゲーや関連グッズのPR、キャンプなどアウトドア系の企画、そしてモデルとしても活動しています。

── サバゲーにハマる前は、体重が80キロ台だったと聞きました。いつごろから増え始めたのですか?

りりあんぬ葵さん:子どものころから、がっちりめで体が大きかったので、体型のことはあまり気にしていなかったんです。5人きょうだいなので、食事の時間は争奪戦。「いかに早く、たくさん食べるか」が勝負、みたいな環境だったので、食べる量も自然と増えていきました。顔に肉がつきづらい体質だったこともあり、見た目にはあまり変化がなく、気づいたときには、かなり体重が増えていて…。さらに、大学生になると拍車がかかりました。きっかけはラーメンです。特に日清カップヌードルの「欧風チーズカレー」に夢中になり、あるときは1日6個も食べていたほど。

── 1日6個!? 単純計算で2500カロリーくらいいきますよね…。

りりあんぬ葵さん:しかもそれが食事じゃなくて「間食」だったんです。カロリーなんて気にしたことなくて、2個連続で食べることもありましたし、スープを飲みながらポテチを食べたりしていました。家系ラーメンにハマっていた時期は、毎日のように食べてスープも全部飲み干して。牛タンの「ねぎし」にもよく通っていました。麦ごはんがおかわり自由なので、大盛り4杯は食べてましたね。

── かなりの大食いエピソードですね…。食費が相当かかっていたのでは?

りりあんぬ葵さん:バイト代はすべて食費につぎ込んでいましたね。節約のために、大学まで片道8キロを自転車通学していました。朝はマクドナルドに寄って、朝マックとナゲットをカゴに入れ、それをつまみながら登校し、大学についたら学内のコンビニでさらに食べ物をゲット。授業中も隠れてお菓子を食べたりして、口のなかに常に何か入っている状態でした。一緒にいた友達もつられて食べるようになって、気づいたら15キロくらい太ってしまって…。

── その食生活で、体調を崩すことはなかったんですか?

りりあんぬ葵さん:それがすこぶる健康で、風邪もひいたことがなかったんです。大学時代は軽音楽部とダンスサークルに夢中だったので、体は結構、動かしていました。本来ならもう少し痩せてもいいはずですが、それ以上に摂取カロリーがすごかったのでしょうね(笑)。当時のあだ名は「ベイマックス」。ディズニー映画に出てくる、あの白くてふわふわしたロボットです。体が大きくて、いつもニコニコしているからと、そう呼ばれるようになりました。

友達に誘われた「人生を変える出合い」

現在はサバゲーのインフルエンサーとしても活躍

── 体型についてコンプレックスを抱くことはあったのでしょうか?

りりあんぬ葵さん:一度もなかったですね。アメリカ生活が長かったですし、きょうだいもみんな大きかったので。そもそも家に体重計がなく、自分の体重すら把握していなかったくらいです(笑)。社会人になってからは、在宅ワークだったので、仕事をしながら何かを食べ、眠くなったら横になるといった、本能のままの生活をしていました。きっと満腹中枢がおかしくなっていたんだと思います。

── そんな日々を大きく変えるきっかけとなったのが、「サバゲー」だったそうですね。どんな出会いだったのでしょう?

りりあんぬ葵さん:大学時代の友達に誘われたのが、きっかけでした。当時は「エアガンで撃ち合う…?なにが楽しいんだろう」と思っていたんです。それでも、人数がたりないからと言われ、つき合いのつもりで参加することに。せっかくだから記念にエアガンをひとつくらい買ってみようと、1万5000円くらいのものを選びました。飾っておくだけでもおもしろそうだし、もともと音楽をやっていたので、ギターやベースを買う感覚に近かったのかもしれません。

── 実際にやってみて、いかがでしたか?

りりあんぬ葵さん:最初から夢中になりましたね。みんな初心者だったので、うまい下手も関係なく楽しめて爽快でした。

ちょうどコロナ禍で人と接する機会が減り、家にこもりがちだったので、屋外で思いきり運動できるだけで気分が晴れました。体型のわりには意外と走れる方で、筋肉質な「動けるデブ」タイプ。もともとアメコミやヒーロー系の映画が大好きだったのですが、サバゲ―をしていると、自分が憧れの世界の主人公になったような感覚があって、とにかく楽しかったんです。

初日からドハマりして、勢いのまま6万円のエアガンを新たに購入。その後は週に4回、多いときは週5で通うほどのめり込みました。

ダイエットを意識したわけじゃなかったが 

── そこからどのようにして、約40キロの減量を達成したのか気になります。サバゲーがダイエットにどのような影響を与えたのでしょうか?

りりあんぬ葵さん:サバゲーは、5キロほどあるエアガンを持って1日中フィールドを走りまわるので、とにかく運動量がすごいんです。ゲームでは、走ったり、しゃがんだり、伏せたりと、全身を使う動作が多く、終わるころには筋肉痛になるほどハード。帰宅するともうクタクタで、自然と食欲も落ちていきました。

家にストックしてあったカップラーメンにも、いつの間にか手が伸びなくなっていて…。ダイエットを意識していたわけではなかったのに、気がつけば1か月半で体重が10キロも落ちていたんです。体も軽くなって、なんだか調子もいい。このままの生活を続ければ、無理なく痩せられるかもしれない…そう思うようになり、食事にも意識を向けるようになったんです。

── それまで「食べること」がいちばんの楽しみだったという日常が、サバゲーをきっかけに変わっていったのですね。食事面では、どんな工夫をされたんでしょう?

りりあんぬ葵さん:主食をブロッコリーに置き換え、朝は韓国で俳優をしている父から教わった、ほうれんそうとりんごのスムージーを飲んでいました。昼はサバゲー会場のカレーをご飯少なめで食べ、停滞期かもと感じたときには、ご飯をレタスに置き換えました。飲み物もそれまでコーラか甘いジュースばかりでしたが、水や麦茶に変更。夜は、ブロッコリーを鷹の爪とオリーブオイルで炒めたり、レンチンした豆腐にめんつゆをかけて食べるスタイルに。栄養の偏りを防ぐため、ビタミンは錠剤で補っていました。

そうしているうちに、2か月でさらに10キロほど落ち、停滞期も1週間くらいで抜けました。もともと代謝がよく、筋肉がつきやすい体質だったことも大きかったのかもしれません。

── 痩せたことで、ご自身にどんな変化がありましたか?

りりあんぬ葵さん:ダイエットとは無縁の生活を送っていた私がサバゲーと出会い、夢中で楽しんでいるうちに、人生で初めて痩せることができました。太っていることをコンプレックスに感じていたわけではなかったけれど、実際に痩せてみると、驚くほど身軽になり、自由に動けるって、こういうことなんだなって実感しています。大好きなサバゲーも、より思いきり楽しめるようになったし、これまで似合わないと思っていた服にも挑戦できるように。何より自分に対する見方が変わり、自己肯定感が上がりました。私にとって、まさに「人生を変える出合い」でしたね。

現在はサバゲー関連のPRなどでモデルも務めるりりあんぬさん。趣味にハマったことで、サバゲーが徐々に仕事にもなり、人生が大きく変わったそう。ただ、あまりにのめり込んだことで、婚約者とは破談に。それでも「これが私の人生です!」と今は胸を張って言えるそうです。

PROFILE りりあんぬ葵さん

りりあんぬ・あおい。1995年生まれ。アメリカ合衆国カリフォルニア州出身。大学卒業後、通訳・翻訳業に従事。現在は、サバイバルゲームやアウトドア系の企画、モデルとしても活動している。

取材・文/西尾英子 写真提供/りりあんぬ葵