「ビュッフェでオレンジをこっそりバックに…」お金持ちほど“ケチ”になるのはなぜか

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 女優でタレントの飯島直子さんが最近ハマっていることとして、「牛丼の松屋で紅ショウガを10袋持ち帰っている」と語るや、「無料とはいえ、やり過ぎだ」とネットで炎上する騒動がありました。

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「無料とはいえやり過ぎ」の声……飯島直子、松屋の紅ショウガ10袋持ち帰りで“プチ炎上”
https://bunshun.jp/articles/-/28405

 成功をした芸能人や富裕層が「持ち帰る必要ある?」とびっくりすることもあるでしょう。しかし、お金持ちは人一倍ケチで、もったいない精神が強いという特徴があるのです。

昼からシャンパンを飲む富裕層も「お持ち帰り」

 筆者が暮らしているシンガポールは家計金融資産が1億ドル(約110億円)を上回る「超富裕世帯」の割合が、香港(10万世帯あたり15.3世帯)に次いで世界2位(同14.3世帯)です(2015年のボストンコンサルティンググループの世界の家計金融資産に関する調査)。

 先日、金正恩も宿泊したという5つ星ホテルでアフタヌーンティーをしていたのですが、店員がビュッフェ台を片付けると言うと、台に置いてあったオレンジとプラムを持ち帰ろうと、バッグに入れている人を見かけました。アジア人のカップルでしたが、優雅にシャンパンなどをいただくようなお金持ちだったので驚きました。


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 シンガポールでは余った食べ物を持ち帰る場合は、店員に聞いてパックしてもらうのがマナーです。私も聞いてみたところ、子供が食べ残したスコーン(テーブルにサーブされた)はOKでしたが、トレイで出されたクリームの付いたケーキ類はNOと言われました。ましてやビュッフェ台の食べ物は持ち帰らないのがマナーです。ヨーロッパに長く住んでいる人や欧米人は特に厳しい目で見るようです。

 とはいえ、アジアを始めとした海外の多くの国では自分が注文をした食べ物に関しては自己リスクで大抵の物は持ち帰ることができます。「テイクアウェイ」(イギリス英語)、「トゥーゴー」(アメリカ英語)などと言えばパックしてくれます。

 なかには、スープに入っていた鶏肉の骨なども持ち帰った人もいます。外食の際の食べ残しを持ち帰るための容器をアメリカの外食産業では「ドギーバッグ」と呼ぶようですが、犬用だったのかもしれません。その他にも「メイドにあげる」などと言ってほんの少しでも残っていると必ず持ち帰る人が多いです。

「金持ちから1円の税金を取るのは、貧乏人から1万円を取るより難しい」

 ホテル、銀行、高級ブランド店などでも水やジュースなどを出される場合があります。銀行のラウンジに行くと、用もないのに私用の打ち合わせなどをしている人を見かけます。平日の昼間なのでお金のある高齢者のようでした。

 また、高級ブランド店で試着だけして、水などをもらって帰る強者もいると聞きます。アパレル企業が主催するパーティーなどでも購入しているのはほんの一部で、飲食目当てに来ている人も多い印象です。日本でも粗品のサランラップやティッシュペーパーなどを使っている富裕層は多いですが、海外でも銀行のロゴ入りのペットボトルを自宅で見かけることもあります。

「金持ちから1円の税金を取るのは、貧乏人から1万円を取るより難しい」と言ったりもしますが、無料で接待し慣れているのでサービスフィーを請求することが非常に難しいこともあるようです。

富裕層の家系は「お金を守るスペシャリスト集団」

 このように、富裕層ほどお金の使い方にシビアな人はいません。納得をしないところには1円も支払おうとしないのです。芸能人なども、見えるところはゴージャスに着飾りますが、裏では質素倹約生活をしている人も少なくありません。

 ダイエットに例えるなら、「低糖質ダイエット」でしょうか。脂肪となる糖質を極限まで減らし、タンパク質など筋肉になるものを積極的に食べる方法です。富裕層は「糖質」のような「無駄な支出」がほとんどなく、「タンパク質」的な「資産価値の増えるもの」だけにお金をかけるようにしています。

 さらにこうした生活を習慣化し、子どもに必ず引き継ぎます。何代も続いている富裕層の家系はお金を守るスペシャリスト集団と呼び変えることもできるでしょう。

 特にシンガポールに住むアジア富裕層はインド、中国など様々な地域から集まるため、日本人からすると想像の域を超える節約法や考え方があって、フィナンシャルプランナーの私も度肝を抜かれることがよくあります。

 こうした金銭感覚を見ていると、よほどの強運に恵まれていなければ難しいとは言え、なるべくしてお金持ちになったのだろうと思えてなりません。

富裕層はどこにお金をかけているのか

 そんなドケチな富裕層ですが、かけるところには惜しみなくお金をかけます。例えば、不動産、子息の教育、資産価値の残る物(アート、ジュエリー、高級ワインなど)にはお金をかける特徴があります。

 ユニクロなどを運営するファーストリテイリング代表取締役会長兼社長・柳井正氏はフォーブスの日本長者番付で、長年上位にランクインする経営者です。フォーブスの記事によると、不動産、子供の学費、アートなどにお金をかけているようです。

柳井正の自宅とは? 約2600坪の広大な豪邸と、息子たちの華麗なる経歴
https://forbesjapan.com/articles/detail/32112

 お金持ちが不動産にお金をかけるのは、相続をする際に現金より有利という理由もあります。また、自宅が充実していれば、家族との時間も作りやすく、来客も招くことができます。移動しなくてもよいので、時間とお金の節約に繋がります。

 教育は次世代に引き継がせることができる投資になります。また、親が子供の学費や習い事の月謝を教育機関に支払うことは、社会通念上の範囲として、一般に贈与税はかかりません。子供にお金をあげてしまうと金額によっては贈与税の対象になります。そのため、富裕層は早期から海外のボーディングスクール(全寮制の寄宿学校)に子息を送り込んだりするのかもしれません。スイスなどは特に高額になり、年間1000万円以上になることもありますが、富裕層には人気だと聞きます。

 また、アートやジュエリーはうまく見極めれば資産価値が上がることもあります。ワインや高級バッグなどもオークションにかけて売ることも可能です。銀の食器なども代々引き継がせることができます。

投資になるものにお金を使う

 一般人だと洋服や趣味など、資産価値がほとんど残らないところにお金をかけてしまいがちですが、富裕層は価値が残るところにだけお金を使う傾向があります。そのためにますます差がついてしまうのです。

 富裕層に近づくためには、資産価値がなく消えてしまう支出にはシビアになる必要がありそうです。全ての支出を投資に変えることは難しいですが、お金を使う度に投資になっているかを考えたいところです。

(花輪 陽子)