「女性として見られたい」専業主婦が“胸元パックリ衣装”で…中年世代に大ブーム“既婚者合コン”の知られざる実情〉から続く

 いま、中年世代で「既婚者限定の合コン」がブームだという。元ミスコンクイーンで長く専業主婦だった女性のLさんは、そんな既婚者限定合コンの常連の1人だ。

【衝撃】中年たちがのめり込む「既婚者合コン」の実態とは

 もともと芸能の道に進みたかったものの、親が厳しく断念。高卒で結婚し、現在は子供もいる。そんな彼女は、合コンに通い始めた理由について「心に隙間ができていた」と話す。

 他にはどんな人たちが合コンに参加しているのか? 原田曜平氏による新著『中年中心社会 団塊ジュニアとポスト団塊ジュニア』から、実際の合コンに潜入してヒアリングした内容を一部抜粋してお届けする。


既婚者限定の合コンに潜入して見えた、参加者たちの本音とは? 画像はイメージ ©milatas/イメージマート

◆◆◆

男性は1万円超、女性は集まりが悪く「無料」

既婚者合コン 開催概要

 ■日時:2024年某日夜
 ■参加人数:男性12人、女性8人
 ■会費:男性30〜40代…1万1000円、50代…1万1500円/女性1500円
 (人が集まらなかったからか、開催直前に女性は「無料」に変更)

 Lさんの指南を頼りに、とある既婚者合コンをこの本の編集者さん、構成さんと潜入取材してきました。場所は都心某駅徒歩数分の距離にある商業ビルの1フロア。フロア全体が貸切スペースになっていました。70〜80人規模の結婚式2次会が行えそうな広さで、バーカウンター(簡単な飲み物程度は用意できる)つき。そこに会場スタッフ2人(いずれも女性)と参加者20人なので、かなりゆったりとした空間です。

 席配置は図のとおり。テーブルが4つあり、それぞれに女性が2人ずつ着席。女性のほうは動かず、男性が3人ずつ1チームで、30分ごとにマイクで促され、時計回りで次のテーブルに移動。男女で合意が取れれば、LINEなどの連絡先を交換します。

 フリードリンク制で、アルコールを含む簡単な飲み物を、各自が好きなタイミングでバーカウンターに取りにいきます。厨房はないのでフードはケータリングの軽食のみ。正直、フードはかなりしょぼいクオリティでした。

 30分×4テーブル、2時間が経過すると終了。男性だけが先に会場から出され、エレベーターで階下へ。その後、女性が帰りますが、一部の男性は先ほど合意が取れた女性とともに(あるいはグループで)2軒目に行くようです。思うにこの時間差退出の意味は、

(1) 男性が「待ち構える」形になるので、女性からガツガツ行く必要がない(旧世代的な意味での「女性のメンツ」が保たれる)

(2) 女性が会場のトイレで化粧直しをする間、男性が「次の店」を押さえる時間が確保できる

 ではないでしょうか。

 では、ミドル層のリアルをお伝えしましょう。どんな参加者がいて、どんな話をしていたかを以下に紙上再現してみます。私は8人の女性全員と会話ができましたが、会の仕組み上、他グループの男性陣とはあまり話ができなかったので、そちらに関しては一緒に参加したこの本の編集者さんと構成さんからのヒアリングに頼りつつ描写しますが、完全ではないことをご了承いただければと思います。

「夫には『友達とご飯に行く』と言ってきました」と語るAさん

 女性の友人と一緒に参加するつもりだったものの、その友人が病欠してしまい、急遽単身参加になってしまったというAさん。少し前まで会社勤めでしたが、今はフリーランスとして在宅勤務です。既婚者合コンは過去に参加した経験があり、今回夫には「友達とご飯に行く」と言ってきたとのことでした。

 都心に夫とふたり暮らしで、子供はいません。趣味はスマホゲームと、定額制動画配信サービスでのアニメ鑑賞。外見は服も顔も地味で、大変失礼ながら表情に乏しく、一見、幸が薄そうに見られるタイプかもしれません。常にじっと押し黙っていて、話しかけられるのを待っています。

 こちらからいくら話題を振っても、話がストップしてしまう。言ってしまえばノリが悪い。声も小さい。リアルの友達は「2人だけ」とのこと。話していて感じたのは、彼女の自己肯定感がとても低いこと。同じテーブルのBさんのほうが外見的に華がある不運も手伝ってか、多くの男性がBさんとばかり話そうとするのを、ばつが悪そうに眺めていました。

 正直、従来型の「合コン」にもっとも参加しないタイプにすら見えましたが、ふと前述のLさん(元ミスコンクイーン)の話を思い出しました。曰く「参加女性を掘り下げるとわけありの女性も結構いるようです。夫からDVを受けていてシェルターに入っている、といったように。決して遊び目的じゃなくて、孤独で寂しいからなんとなく来ている人だったり、経済的に依存できる相手を探しに来ている人も多いようです」。

  Aさんがこうしたケースに該当するのかはわかりませんが、「既婚者合コンと言うからには、派手で社交的な人ばかりが参加するのではないか」という予測は、早くも打ち砕かれました。

「家庭に満足してたら、こんなとこ来ないですよ」と語るBさん

 東京近郊の県から、はるばるバスで長距離移動して都心までやってきたBさん。純粋そうな顔立ちで愛嬌があり、男性陣に積極的に話しかけていました。

「家庭に満足してたら、こんなとこ来ないですよ」。聞けば、彼女は夫とセックスをしても愛し合っている実感がわかないとのこと。ただ、お子さんとの関係は良好であり、離婚しない理由はその一点のみ。

出会いを求めてYouTubeで情報収集していたら、最初は既婚者向けマッチングアプリが出てきたんですが、スマホにインストールするのが怖かったので……。既婚者合コンならサイトで予約するだけなので安心だと思った」。なお、2024年9月、女性に性的暴行を加えたとしてTBSテレビ担当局次長の男性が書類送検されましたが、彼がその女性と知り合ったのは、既婚者向けのマッチングアプリでした。

 Bさんは、そのビジュアル的に、おそらく会場内で一番人気でしたが、私の目の前でこんなことが起こりました。30分が過ぎてテーブルチェンジの時間になると、Bさんは「ここにいる男女5人でLINEのグループを作りませんか」と提案したのですが、私以外の男性2人が即座にそれを阻止し、「1人ずつにしましょう」と言ったのです。

 要は「グループではなく、Bさんと個別に連絡を取りたい。Aさんや、私を含む他の男性とは特にやり取りしたくない」という強い意思表示です。ふたりとも、かなり本気でBさんを狙いに行っている様子でした。

〈「5分でいいから、子供が消えてほしい」不満を抱えた母親たちは、やがて『既婚者合コン』へ…中年世代で不倫がカジュアル化した「切実な事情」〉へ続く

(原田 曜平/Webオリジナル(外部転載))