こちらは、NASA(アメリカ航空宇宙局)の系外惑星探査衛星「TESS(テス)」の観測データを使って作成された「全天マップ」です。


【▲ NASAの系外惑星探査衛星「TESS」の観測データをもとに作成された全天マップ(Credit: NASA/MIT/TESS and Veselin Kostov (University of Maryland College Park))】

大きなU字型を描いた輝く光の帯は「天の川」、すなわち私たちが住む天の川銀河の銀河面を内側から見た様子です。


下端中央のすぐ左にある左右に細長い天体は、天の川銀河の衛星銀河(伴銀河)のひとつ「大マゼラン雲(大マゼラン銀河)」。その左上にはもうひとつの衛星銀河「小マゼラン雲(小マゼラン銀河)」があります。また、右上の端近くには、約250万光年先の「アンドロメダ銀河(M31)」も写っています。


TESSは全天を「セクター」と呼ばれる複数の領域に区切り、1つのセクターを約1か月間ずつ集中して観測します。この壮大な全天画像は、2018年4月の観測開始から第2次延長ミッションが終了した2025年9月までの間にTESSが取得した、延べ96セクター分のデータをつなぎ合わせることで作成されました。ちなみに、黒い四角の領域は、TESSがまだ観測していない領域です。


約6000個の太陽系外惑星とその候補がひしめく夜空

無数の星々が輝く宇宙、そこには未知の世界が広がっています。次に掲載するのは、冒頭の全天マップにTESSが発見した太陽系外惑星の位置を重ね合わせた注釈付きの画像です。


【▲ NASAの系外惑星探査衛星「TESS」の観測データをもとに作成された全天マップ(注釈付きバージョン)(Credit: NASA/MIT/TESS and Veselin Kostov (University of Maryland College Park))】

青い点は2025年9月9日時点で確認済みの679個の太陽系外惑星を、オレンジ色の点は同時点で確認を待っていた5165個の太陽系外惑星候補を示しています。合わせて約6000個の太陽系外惑星とその候補が、全天のいたるところに分布していることがわかります。


NASAによると、TESSの観測で発見された惑星は、水星のような小さなものから木星よりも大きなものまで多種多様です。その中には「ハビタブルゾーン(※)」に位置し、地球外生命の探査において重要なターゲットとなるものも含まれています。


さらに全体を見渡せば、火山に覆われた星や、主星に破壊されつつある星、あるいは2つの主星を持ち毎日2回の日の出と日の入りを経験する星など、個性豊かな環境を有する可能性がある惑星の存在が明らかになっています。


※…大気を持つ惑星の表面に液体の水が存在し得る、恒星から一定の範囲にある領域。童話「3びきのくま」にちなんで「ゴルディロックスゾーン」とも呼ばれる。


明るさの変化から惑星を見つけ出す

TESSは4つのカメラを使い、数万個の星々の明るさの変化を長期間にわたって追跡しています。これは惑星が主星の手前を横切る「トランジット」が起こる際の、主星のわずかな減光を捉える「トランジット法」と呼ばれる観測手法です。


NASAによれば、これまでにTESSなどの観測を通じて、全体で6270個以上の太陽系外惑星が確認されています(※2026年5月13日時点)。膨大な観測データの解析がさらに進むことで、今後もさらなる驚きの発見がもたらされることが期待されるということです。


 


文/ソラノサキ 編集/sorae編集部


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