定年後のセカンドライフで「やってはいけないこと」とは?再雇用でやりたくない仕事に回されそうになったら…
厚生労働省が公表した「令和7年 高年齢者雇用状況等報告」によると、65歳以上を定年とする企業(定年制の廃止企業を含む)は34.9%で、前回の調査より2.3ポイント増加したそうです。定年まで第一線で活躍し、周りの人に惜しまれつつ退職……そのような未来を考える50代に警鐘を鳴らすのは、オーダーメイド型企業研修を展開するエマメイコーポレーション代表取締役・大塚寿さん。そこで今回は、大塚さんの著書『定年5年前からの「やってはいけない」 1万人の体験談からわかった「後悔しない会社人生の終え方」』から、定年後の後悔を避けるための方法を一部ご紹介します。
【書影】定年後の後悔を避けるため、5年前から始めるべき準備を徹底解説!大塚寿『定年5年前からの「やってはいけない」 1万人の体験談からわかった「後悔しない会社人生の終え方」』
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やりたいこと、できることの前に「やりたくないこと」を考える
「やりたいこと」は特にない、他人より優れた「できること」もない、仕事を楽しいと思ったこともない……。「ないない」づくしの人は自己認識がズレているだけかもしれません。
やりたいことがないなら「問い」を変える
三十数年前、あなたはなんらかの「やりたいこと」があって、最初の会社や団体に入社したのでしょうか。あるいは、バブルが弾けたあと、ようやく内定が出た1社に入ったのかもしれません。
第一志望に入社できたかはともかくとして、「広告代理店に行きたい」「金融業界で働きたい」「営業の仕事をしたい」「転勤のない会社で働きたい」「システム開発の仕事がしたい」といった希望はある程度かなったでしょうか。
こんなふうにお聞きするのは、本記事の読者がバブル世代終盤あるいは就職氷河期世代の両極端だろうと思われるからです。
バブル世代は希望通りの企業や職種に就いた可能性は高いものの、その後の「失われた30年」の閉塞感の中で「やりたいこと」どころではなかったかもしれません。
氷河期世代にいたっては、「やりたいこと」はさておき、内定が出た会社に入社するしか選択肢がなかった人も少なくないはずです。
その意味では、両世代とも組織内で「やりたいこと」を実現する機会はさほど多くなかったと推測します。
ここではむしろ「やってはいけないこと」をお話ししたいと思います。
やってはいけないこと(1)
定年後の人生を考える時、“やってはいけない”ことは、「やりたいこと」「できること」だけに真正面から挑んで、正解を探そうとすることです。
もちろん、具体的に「やりたいこと」があって、それが「できること」なら問題もありません。
問題は、「特にやりたいことがない」というかなり多くの人たちなのですが、その過半数の人たちは、馬鹿正直にひとつの解法でこの難問に立ち向かって、思考停止になっているケースが余りに多いのです。
1ヶ月以上、何度も何度も考えて、子供の頃に遡っても「特にやりたいことがない」場合、その問いを考え続けるのは“やってはいけないこと”かもしれません。
そもそも正解がない「問い」の正解を求めている可能性があるからです。
そういう場合は、「やりたいこと」がないなら、逆に「やりたくないこと」から発想する消去法もあります。
たとえば、他人とのコミュニケーションが苦手なのでIT技術者になったけれど、他部門や顧客との調整が求められるプロジェクトマネージャー(PM)や管理職になってしまったケース。
こうした人は「対人コミュニケーションを伴う仕事」や「調整」を「やりたくない」なら、こうしたことが「ない」か「最小」の仕事を選択すべきです。
現役時代はPMや管理職の役割責任としてやってきたが、定年後のセカンドライフでは「やりたくない」を優先して、消去法や思考の切り口を変えることをおすすめします。
やってはいけないこと(2)
定年後のセカンドライフで次に“やってはいけないこと”は、「我慢」です。
これまで組織の中で働いてきて「仕方ない」と我慢することが通常のモードになっている人が少なくないと思いますが、その思考パターンから卒業する準備に入ってください。

(写真提供:Photo AC)
特に一方的に会社が決めた「役職定年」「閑職への異動」「子会社や融資先、取引先への転籍」「再雇用」の条件面などをこれまでのように「上が決めたことだから」「会社のルールだから」と我慢するのはちょっと待ってください。
「拒否すべき」と言いたいのではありません。「我慢して受け入れるくらいなら、その前に交渉の余地があるかどうかを確かめたほうがいいですよ」と言いたいのです。
セカンドライフは「自分勝手」くらいでちょうどよい
様々な会社の「役職定年」や「再雇用」の実態を取材してきましたが、素直に会社のルールに従った人と交渉して自身の言い分を会社に飲ませた人とでは、QOLに結構な差が出るというのが実感です。
さらには、お堅い大企業でも再雇用に実は交渉の余地があるというのも、新発見でした。
それを知らずに、不本意な条件を我慢するのは、あまりに気の毒だと思っています。
一瞬、まわりからは「自分勝手」と思われたとしても、セカンドライフはそのくらいでちょうどよいのかもしれません。
ポイント
定年後に「やりたいこと」がないなら、「やりたくない」ことから消去法で考えるもよし、再雇用で「やりたくない」仕事に回されるくらいなら、その前に会社と交渉してみよう!
※本稿は、『定年5年前からの「やってはいけない」 1万人の体験談からわかった「後悔しない会社人生の終え方」』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

