秋季練習で橋上オフェンスチーフコーチ(右)と話し込む巨人・阿部監督

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 巨人は4日、石井琢朗氏(55)が二軍監督に、田口昌徳氏(55)が二軍バッテリーコーチにそれぞれ就任すると発表。この日、ジャイアンツタウンで行われた練習終了後、阿部慎之助監督(46)は「もちろん二軍のことは全てお任せしようかなとは思いますし、密に連携を取りながらやっていきたいなという話をさせていただきました」と説明した。

 これで2026年のコーチ陣容が出そろい、2年ぶりのリーグV&13年ぶりの日本一奪回に向けてリスタートを切る。来季が契約最終年となる阿部監督としては指揮系統を一新させ、より円滑な組織づくりを図ることによって結果を出していく構えだ。

 今季まで一軍にヘッドコーチ、二、三軍に野手総合コーチを置いていたが、いずれも撤廃。各軍を統一するヘッド格のポジションを設置しない代わりに、オフェンス(打撃および攻撃面の戦略・戦術)、ディフェンス(守備と走塁)、バッテリー(投手と捕手)の3分野にそれぞれチーフコーチを配置することで「タテのつながり」を重視した新体制を構築した。

 今回の組織大改編に至った最大の理由は、チーム内の狹糎瀬押璽牴臭瓩鯔匹阿海箸砲△襪箸いΑこれまでは、ヘッドコーチが打撃や守備および投手に関する必要事項をまとめて収集。各軍のコーチから伝達された案件を指揮官へ逐一報告していた。しかし、大きな弊害として情報伝達の不正確さやタイムラグが浮上。場合によっては物事の進行がスムーズに運ばず、逆に妨げられるケースも発生するなど、チーム内において足かせととらえられていた。

 首脳陣の1人は「今季はヘッド(コーチ)を介していろいろなところに話が分散し、監督自身が知りたい『真意』が100%まで伝わり切れていなかったこともあった」と分析。その上で新体制構築について「ヘッドが理解していることにも限界がある。知りたい情報が行き届かないよりも専門性を重視し、それぞれを担当しているコーチに直接話を聞ける環境を整えれば、監督の意思が浸透すると考えたのだろう」とも明かした。

 一、二、三軍の垣根を越え、分野ごとの「タテのつながり」を重視。この新たな指揮系統の試みは、来季のチームにどのような牴蹴愴娠瓩鮓討啜こすか。