新生・森保ジャパンの活動がスタートした。

 カタールW杯メンバーで外れたのは10人で、これまでワールドカップに複数回関わってきたベテラン勢・功労者が、そのうちのメインだ。すでに代表引退を表明している川島永嗣以外の9人は、特に代表チームへのスタンスを明らかにはしていない。


吉田麻也が代表メンバー落選について語った

 もちろん、本人が「入りたい、続けたい」と思っていようと、代表チーム側から選ばれないとメンバーになることができないのは当たり前。厳しい条件があるのが代表チームというものだ。それでも、いまだバリバリの現役で今回選出されているメンバーよりも所属クラブで活躍している選手たちについては、今回なぜ招集されなかったのか気になってしまう。

 果たして、吉田麻也の場合はどうだったのか。吉田はブラジル、ロシア、カタールと、ワールドカップ3大会で日本代表の中心メンバーとしてプレーした。ロシア大会終了時には長谷部誠から引き継いだキャプテンとして、ピッチ内外で活躍してきた。

 特にカタール大会では本番前に明らかになっていったように、森保一監督らコーチングスタッフと選手たちの間に立ち、ある程度のイニシアチブを持って戦い方や戦術に関して意見してきた。

 だからこそ、「今回のメンバー外、どう捉えたらいい?」と正直に聞いてみた。

 吉田は「うーーーーん」とうなったあと、10秒程度沈黙した。試合後のミックスゾーンだったからか、余計に何をどう答えようか考えているふうだった。代表発表直後の試合だったこともあり、この手の質問が来ることは想定内だったはずだが、それでも真摯な吉田は頭を悩ませた。

「まだ監督と話してますし、これから決めていくかなと。あんまりコメントしたくないですね。なぜかというと、僕がなんかいうことによって、チームや監督に影響を及ぼしたくない、まずどうなるか見てみたい」

 率直な言葉と受け止めていいだろう。

【こちらの忖度はあっさり却下】

 ワールドカップまでの4年間をひとサイクル。まだまだ無理して代表入りをアピールする時期でもない。特に今回は親善試合にすぎないし、吉田は4年間のサイクルを何度も経験して知り尽くしている。

 一方で所属するシャルケは、2部降格圏を脱することができずにシーズン終盤を迎えようとしている。日本と往復して体力と時間を奪われるより、ドイツやヨーロッパでのんびりと過ごし、英気を養うほうがよさそうでもある。

 ......と、森保監督が考えた可能性はないだろうか。

「(そういう)配慮じゃないだろうね(笑)。だって、俺らより下のチームのやつも選ばれてるし、ボーフム(浅野拓磨)だってシュツットガルト(遠藤航、伊藤洋輝)だって選ばれてるわけで」

 そんな忖度めいた質問は、あっさり否定された。そして続ける。

「だからまぁ、もちろん新しいチームで4年後を見据えてどうやって戦っていくかっていうなかで、監督はいろんなことを決断しなきゃいけないので。だから今は、別にこれがどうなるか決める必要はないし、まだ3月の段階なので僕としても行かないは行かないで、もう、悪いことではない。

 おっしゃるようにシャルケでやるべきことはあるし、フレンドリーマッチは(ベテラン選手にとっては)絶対に行って絶対に2試合とも出なきゃいけないという試合でもないわけで、監督も、僕やほかのベテランの選手がどれくらいやれるかはわかっている。新しい選手を見るべきだと思いますよ」

 若手は若手で、今回外れたベテランたちとの競争がなくなったわけではないことは自覚している。

 たとえば、オランダのAZでプレーする菅原由勢。彼はワールドカップ前に2度招集されたものの、カタール本大会には縁がなく、今回は呼ばれた。吉田とは違い、彼にとって今回のメンバーに入ったことは大きな意味を持つ。

 これからの4年間でどのように存在感を発揮し、定着していくか。一斉に揃えたスタートラインに立てたことは大きい。

【再び選ばれた菅原由勢の想い】

 だがそれでも、酒井宏樹や長友佑都、吉田らが選出されなかったことに関してはこう言う。

「彼らの存在も、そこにいる意味も、選出されなかった意味なんてわかるじゃないですか。僕らがダメだったらすぐ戻ってくるだろうし」(菅原)

 つまり吉田らは、日本代表の外からも若手を刺激する存在だということだ。森保監督にとっては、なんと頼もしくありがたいことだろうか。

 でも、本人はそれで満足、とはいかないだろう。吉田は、森保監督は、今後どのような判断を下していくのか──。長い目で見ていくしかなさそうだ。