【独占告白】藤澤五月が寿司屋で語り尽くした!「カーリングしていない私はポンコツかもしれない」

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カーリング一筋の人生

カナダ、アメリカ、イギリス、スウェーデン……。今季だけでも世界中を転戦してきたロコ・ソラーレの藤澤五月(34)だが、地元である北海道北見市に帰郷している間は保険会社『コンサルトジャパン』の社員の顔も持つ。

ロコ・ソラーレ加入時に入社してから11年もの間、遠征の合間を縫って勤務している。社屋にて筆者を「ようこそ、北見へ!」と笑顔で迎えてくれた。

「まず保険募集人の資格を取得させてもらって、それからは電話対応やご契約いただいた保険の事務手続きなどが主な仕事ですが、保険の知識はほとんどなかったので最初は仕事を覚えるのが大変で。それでもカーリングばかりしてきた私には、社会性を学ばせてもらえるありがたい時間でもありました」

’15年に藤澤が加入して以降、ロコ・ソラーレは日本代表としての世界選手権の銀メダル、五輪でのメダル(銅、銀)、グランドスラム優勝など、「日本カーリング史上初の」が枕につく快挙をいくつも成し遂げてきた。マイナースポーツだったカーリングは広く認知され、五輪中継では視聴率上位のコンテンツに化けた。結果として、藤澤は一年の半分近くを遠征で費やす日々を過ごすこととなり、出社できる日は限られている。それでも会社にいる際はカーリングに興味を持ってくれたクライアントや、「ロコ・ソラーレ、応援してるよ」と言ってくれる地元の顧客と面会するなど、彼女にしかこなせない職務を重ねている。

「いつも『お客さんとの信頼関係がいちばん大事』と教えていただいています。カーリングでもチームメイトとの信頼関係は非常に重要なので、仕事と競技がつながる部分はすごくあるんです」

地元にいる期間は会社での勤務と氷上練習、ジムでのトレーニングに一日を費やす。チームスケジュールとしてオフがあっても個人練習に充てることも多い。

練習を終えた藤澤は市内にある馴染みの寿司店『松寿し』に移動し、海鮮を中心とした酒肴に舌鼓を打ちながら、改めて筆者の取材に応じた。

「基本的には外に出かけたいタイプですね。一日中何もせず家にいるとなんだか堕落してるような感覚に陥って、『一日無駄にしちゃった……』と思っちゃうので、何か予定は入れておきたい。家には寝に帰るぐらいでいいです」

今季、3大会連続の五輪でのメダル獲得がかかったロコ・ソラーレは出場を逃し、藤澤は’14年のソチ五輪以来、12年ぶりに・観るオリンピック・を過ごした。なかでも金メダルを獲得したスウェーデン代表チームの全11試合をテレビで追ったという。

「ソチの時にJJさん(カナダ代表ジェニファー・ジョーンズ)のチームが全勝優勝をしたので、オリンピックで勝つチームは大会を通して調子がいいのか、波があるのかが気になったんです。自分が出場した時は自分のことで精一杯なので、それを考える余裕がありませんでした。

 ミラノ・コルティナ五輪で優勝したスウェーデン代表はカナダや韓国には負けていましたし、デンマーク戦もギリギリの試合をなんとか制していた。でも、アンナ(・ハッセルボリ/スウェーデン代表スキップ)は作戦的な部分ではけっしてブレなかった。序盤でも難しい時はチーム全員で考えて、タイムアウトを取る試合もあった。そういったブレない強さを学ぶことができました」

同時にスウェーデン代表から感じたのは、「楽しむことの重要性」だった。

「オリンピックですから、どうしてもプレッシャーはかかる。それでもアンナたちみたいに何度もその舞台を経験しているチームはそこに行ったらもう楽しむことが最良だと理解している。そんな印象を受けました。だから、過去の大会のハイライトなどで自分のインタビュー映像を見た時に『苦しそうに話してるなぁ……。あんなにオリンピックを楽しみにしていて、自分たちで望んだ舞台なのにもったいない!』と思ったんです。客観的に見ることができた大会になりました」

自宅のテレビで観戦するだけでなく、五輪関連番組にも出演した。共演したプロフィギュアスケーターが強く印象に残っているという。

「村上佳菜子さん(31)がMCの仕事をアナウンサーさんのようにテキパキとこなされていて、衝撃を受けました。生放送の慌ただしさのなか、時間内でコメントをまとめて、それ以外にもスタッフの方に『ここをもうちょっとこうしたほうがいいと思うんですけど』と自分の意見まで伝えて。競技を退いてもテレビ業界で活躍してすごいなって思う反面、私には無理だと痛感しました。私はカーリングしかやってきていないから……」

5月14日発売の『FRIDAY5月29日号』と有料版『FRIDAY GOLD』では、チームを去った戦友への思いや、今後のキャリアについて赤裸々に語っている。

取材・文:竹田聡一郎(スポーツライター)

取材協力:松寿し