[6.10 W杯最終予選 日本 6-0 インドネシア パナスタ]

 背番号10での初ゴールは得意の左足を囮にした右足での一撃だった。日本代表MF久保建英(ソシエダ)は1-0で迎えた前半19分、ペナルティエリア左でボールを受けると、左足裏でこねてからの右足シュートでA代表通算7ゴール目。狭いスペースでの個人技だったが、「“入ったな”と思って冷静に流し込むだけだった」と冷静に振り返った。

 ゴールの起点となったのは「デザインされた」(久保)ショートCK。キッカーの久保がMF鎌田大地に預け、ノールックでのリターンパスを受け取ってエリア内に侵入したが、最初のクロスはFW町野修斗に合わなかった。しかし、町野のパスからの二次攻撃で見事にフィニッシュ。「左で打とうと思ったけど弾かれると思って、あとは右で打とうと思って(足裏で)なめてから……」(久保)という冷静な判断と技術が合わさったゴールだった。

 ゴール直後にはメインスタンド側のオフィシャルカメラに走り寄り、“膝スライディング”を披露。「1点目に鎌田選手が“膝スラ”していたので真似してやろうかなと」。背番号10での初ゴールを鮮やかなゴールパフォーマンスで彩り、「10番を背負った試合で結果を残すことができて、すごいホッとしているというか、良かったですね。あとは家に帰って写真を見返そうと思います」と笑顔を見せた。

 さらにこの日の久保は前半アディショナルタイム6分、絶妙なポジショニングからのスルーパスで鎌田のゴールをアシストすると、後半13分には相手の意表を突いたループパスで町野のゴールもお膳立て。自身のゴールをアシストされた町野との連係に「ずっといい動きをしてくれて、アシストみたいなのを僕にもくれて、彼もゴールが欲しかったと思うのでいいパスが出せて良かった」と喜びを語った。

 そうして69分間のプレータイムで1ゴール2アシストの結果を残し、後半24分に「僕と似ている選手」と認める18歳のMF佐藤龍之介(岡山)との交代で役目を終了。「結果を残すことで他の選手を投入できる。僕も実際、佐藤選手と代わったけどああやって新しい選手のチャレンジの場になるので、いろんな意味で早く試合を決めたいと思っていたので良かった」と振り返った。

 この日の活躍により、久保は最終予選のホームゲームで3試合連続となるプレーヤー・オブ・ザ・マッチを受賞。さらに第2次森保ジャパン通算6ゴール14アシストでゴール関与数を「20」とし、5ゴール13アシストのMF伊東純也を上回って再び単独最多となった。

 ところが、久保にとってこの数字は「悪くない数字なんじゃないですかね」と控えめなもの。出場22試合での実績に「試合に出させてもらっているからだと思うので、期待に応えて当たり前なんじゃないかなと思う」と冷静に受け止めていた。

 久保にとって重要なのはW杯予選や親善試合での結果ではなく、1年後のW杯で確かな結果を残すことだ。最終予選の首位フィニッシュにも「最終予選に勝ったからといって世界との距離が縮まったかどうかはわからない」と浮かれず、「これからの9月、10月、11月シリーズでW杯と出場する相手と戦うわけで、その試合内容によって口だけじゃないってところを見せていけたら」と意気込んでいた。

(取材・文 竹内達也)