「もちろん、ヒールフックがどんな技が分かっているよ。まず、タップをさせるために技を掛ける。そして、タップしてもレフェリーのストップまでは技は離さない。以前、BTTの選手の試合で相手がタップをしたから技を解いたら、レフェリーが見落として試合が続いたことがあったんだ。だから、レフェリーがストップを懸けるまで技を続けようと、BTT時代にムリーロ・ブスタマンチと決めたんだ」

――ただ、ピアース戦ではレフェリーが間に入ってもトキーニョは技を解きませんでした。最後にピアースはレフェリーの体を叩いています。そしてトキーニョは2010年3月のトマシュ・ドルヴァル戦でタップ後に技を解かなかったとして、ネヴァダ州アスレチックコミッションから90日間の出場停止処分を受けた前科がありました。

「う~ん、試合開始直後というのは凄くテンションが上がっていて、ちょっと気持ちが入りすぎてしまうことがあるんだ。これが2Rや3Rなら、ああいうことは絶対に起らない。傷つけるために戦っているわけじゃないんだ。相手に勝つために技を仕掛けている。最初の仕掛けを逃げられたから、2度目のチャンスは絶対に極めようと夢中になりすぎた。

以前、UFCの試合で技が極まり、相手が叫んだから技を弛めた。でもレフェリーが試合を止めなかった。そんなことが頭をよぎったこともある。だから、今後はああいうことがないように気をつけたい」

――精神的な問題ではあったのですね。カッとなってしまってレフェリーの静止が聞けないのであれば、厳しい言い方をすれば、それはそれで問題だと思います。

「ピアース戦に関していえば、2度目の仕掛けで酷いケガをすることはない。ピアースだって、試合後に問題なく歩いていた。最初の仕掛けで技を続けると、ヒザをやってしまうだろう。でも、2度目のヒールでケガはないはずだよ。僕は足関節がどういうものか分かって仕掛けている」

――……。2011年8月のダン・ミラー戦ではハイキックが決り、そこではレフェリーが止めていないのに大喜びして、自ら攻撃をストップしたことがありました。トキーニョは、おっちょこちょいというのか、かなり思い込みが激しい性格ではないですか。

「寝る、食べる、練習。そういう日々をずっと送ってきた。チャンピオンになるために試合で勝つこと以外、考えていないんだ。あの時はダン・ミラーが『ストップ。ストップ』って言ってきたんだ。だから、攻撃をやめた。でも、レフェリーは試合を止めなかった。観客席やジャッジの席では、分からないことがオクタゴンのなかでは起っているんだよ……」