習氏の握手、9年前と違った…手が見せた「2人の皇帝」の心理戦(2)
習主席の攻勢に対し、トランプ大統領はひとまず正面対抗を自制した。「我々は困難があるたびに互いに電話をかけ、問題を迅速に解決してきた。あなたは素晴らしい指導者だ」と個人的な親密さを表した。その一方で、米国の主要企業の最高経営責任者(CEO)らが訪中随行団に含まれた事実に触れ、「彼らは貿易とビジネス協力に期待している。完全に相互主義的になるだろう」と述べた。
大規模な対米投資の誘致や貿易収支の不均衡解消など、経済的実利を優先するメッセージと読み取れる。「台湾問題も議論したか」という取材陣の質問にも回答を控えた。昨年、150%を超える関税を中国に課して圧力をかけていた姿とは違った。
こうした構図は、両国の変化した力学関係を反映している。イラン戦争以降、複雑になった米国の状況に起因するところが大きい。トランプ大統領としては、米国の裁判所が対中関税の賦課権限にブレーキをかけたうえ、イラン戦争が物価を押し上げ、中間選挙の負担も大きくなった。アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)のシニアフェロー、ザック・クーパー氏は「トランプ大統領は厄介な問題に悩まされ、力が落ちた状態で北京を訪問した格好」と分析した。
習主席はこうしたトランプ大統領の条件を最大限に活用したといえる。ロイター通信は「イラン戦争終結のためには中国の協力が切実だが、中国は急ぐ理由がない」と報じた。ワシントン・ポスト(WP)は「世界は(2017年で)止まっていなかった。中国は当時よりもはるかに強力になった」と評価した。
実際にイラン問題を含め、敏感な懸案については両国が明確な解決策を導き出したり、成果物を作り出すことはできなかった。ホワイトハウスは「両国首脳がホルムズ海峡の開放とイランの核兵器不保持に合意した」とし、「習主席はまた、中国がホルムズ海峡の軍事化やその利用に通航料を課そうとするいかなる試みにも反対するという立場を明確にした」と明らかにした。しかし、両国が具体的にどのような活動をするかについては言及しなかった。
中国側も「両国首脳は中東情勢、ウクライナ危機、朝鮮半島(韓半島)など重要な国際および地域問題について意見を交換した」と発表した。中国の外交用語で「意見交換」は、各自が自身の意見を述べただけで合意に至らなかった場合に使用される。
ただし、習主席も台湾(Taiwan)、関税(Tariff)、先端技術(Technology)規制など、自身が狙った「3T」においてトランプ大統領から満足のいく回答を得ることはできなかった。景気減速や若者の失業など深刻化した国内経済の圧力に対する負担の中で、米国をさらに強く圧迫するのは容易ではない。ひとまず北京での会談初日、両首脳は葛藤の戦線を拡大(ビッグファイト)したり大妥協(ビッグディール)を下したりする正面勝負ではなく、既存の状況を管理する「スモールディール(Small Deal)にスモールファイト(Small Fight)」程度で満足した。
