(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

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シリーズ累計総発行部数1億部(デジタル版含む)を誇る芥見下々による大ヒットコミックを原作にしたテレビシリーズ『呪術廻戦』。そんなテレビシリーズ第2期の中で、五条 悟と夏油 傑の呪術高専時代のエピソードが描かれた人気のストーリー「懐玉・玉折」が劇場版総集編となって全国の劇場で絶賛公開中! 今回は物語のキーとなる少女・天内理子役を演じた永瀬アンナさんに、当時の収録の思い出や、本作の見どころなどを語ってもらった。

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――『呪術廻戦 懐玉・玉折』が劇場版総集編となって公開されると聞いたときの感想を教えてください。
永瀬 嬉しかったんですけど、ちょっと怖いなって思いも正直ありました。「懐玉・玉折」が『呪術廻戦』の中でもすごく人気があるお話だと聞いていたのですが、いま振り返っても残酷なお話ですし、天内理子という役的にも当時演じていて辛かったり、しんどかったりした記憶がありました。それを改めて劇場の大きい画面と大音量で観るのは「なかなか勇気がいるなぁ」と思いました。

――天内理子というキャラクターについて、どんな印象がありましたか?
永瀬 最初の登場シーンから、ものすごいパワーを持った女の子だなと思いました。私自身誰よりも明るく突き抜けた雰囲気で演じさせてもらったのですが、そんな彼女の溌剌とした明るさは、「まだみんなといたい」とか「もっと生きていたい」といった、彼女が隠している本音を押さえつけている反動からだと思うんです。普通の女の子に見えてはいるけど、呪術界存続のために、”不死”の術式を持つ天元と同化しなければならない宿命を持つ”星漿体”として、自分の最終地点をわかっている理子なりの覚悟がそうしたところに垣間見えたような気がして。だからこそ最後に彼女が本音を吐露するシーンがより印象的なものになったのではないかと思いました。

――理子は登場から元気いっぱいでしたが、収録では思い通りに演じられましたか?
永瀬 最初の登場シーンはほぼ一発OKでした。ただ「嘘じゃ!!嘘つきの顔じゃ!!」というセリフがあるのですが、そこは監督から「声が裏返るぐらいにおかしくなってもいいから、もっと突き放す感じでやってください」と言われまして。それなら「誰も信用しないし、一番強いのは自分だ」という理子の気持ちのままに、台本を見ずにガーッと何回かいかせてもらいました。無事にOKが出たのでよかったです。

――他のキャストさんとのやりとりで、思い出に残っていることはありますか?
永瀬 理子のお世話役である黒井美里さんを演じる清水理沙さんにお会いしたとき、お互い初対面だったんですが、第一声で「お守りしますよ!」と言ってくださったんです。その言葉に理子を大事に想っている黒井さんの気持ちを感じることができましたし、私自身もその一言があったからこそ、自信を持って周りの皆さんを信頼して、自分も信じてお芝居に挑むことができるようになりました。

学生時代の五条と夏油の印象は生意気で程よくムカつく感じ?

――永瀬さんの中で特に思い入れの深いシーンを教えてください。
永瀬 沖縄で理子と黒井さん、五条、夏油の4人が水族館をはじめとして、いろんなところを巡るんですけど、そのシーンは特に印象に残っています。実はテレビ放送当時は、このシーンの意味をあまり深く汲み取れていなかったんです。収録でも自分の最終地点を知っている理子が、そこに向かうまでに楽しい時間を過ごそうとしているといった、あくまで理子の前向きな気持ちをイメージしながら演じていました。でも寂しそうに水族館の水槽を見つめる理子の表情からは、どうしても「みんなと一緒にいたいんだよ」みたいな気持ちが感じられてしまって。そこでようやく私自身も「本当に彼女に未来はないんだな」ということに気づくことができたんです。どんなに私が理子のことを感じようとしても、本当の意味で彼女に共感してあげるのは難しいんだろうなって思うと、ちょっと切なくなりました。

――理子の護衛として五条と夏油が登場することになります。二人についてどんな印象を持っていますか?
永瀬 生意気ですよね、やっぱり。程よくムカつくというか(笑)。すごくリアルな等身大の男子学生感がありました。特に五条は「最強」である自分の実力や能力のすごさを理解していることもあって、すごく自信満々だし、なんでもできるんだっていう全能感みたいなのが全面に出ちゃっているんですよね。夏油も夏油で気の置けない五条といると、どこか少し子供っぽく見えるところもあって。お互いのことを信頼してわかり合っているからこそ、あのようなノリで何でもできるような感覚を共有したり、いろんなことに前傾姿勢で取り組んだりすることができるんだろうなって、そんな風に思っていました。

――理子と五条、夏油との掛け合いで思い出に残っているシーンはどこですか?
永瀬 沖縄の水族館のシーンで五条と理子がナマコを弄ってすごくはしゃぐシーンがあるんです。並行して夏油と黒井さんがしゃべっているので、五条役の中村さんと一緒に別録りをすることになったのですが、そのときの五条の笑いのテンションがすごくて。「あんなに奇天烈な笑いできる人いるんだ」ってビックリしました。一つひとつの役柄に対しての解像度が高い中村さんだからできる個性的な五条の笑い方ですごく面白いなって思いましたし、おかげで私もそれに乗せられて理子としてキャッキャと笑うことができました。

――夏油についてはいかがですか?
永瀬 それこそ理子に最後の選択を迫るシーンですね。あの夏油のセリフですが、最初の収録のときはもっとやわらかい口調で理子に選択肢を提示してくれていたんです。優しく寄り添うような感じだったんですけど、監督から「ここは業務的に二つの選択肢を提示してください。選ぶのはあくまで理子ちゃんなので」というディレクションが入りまして。結果的に理子ちゃん自身が未来を選ぶことになったからこそ、夏油が口にする「帰ろう、理子ちゃん」のセリフがすごく引き立って聞こえることになったんだと思います。私自身もそこで心がグッとくるような感覚がありました。

戦う五条の気分が味わえる没入感あるバトルシーンは見どころ

――理子との出来事が、五条と夏油の関係と、その後の運命を大きく変えてしまうことになりました。
永瀬 ズレが少しずつ重なっていって次第に関係がほころんで崩れてしまうことは、現実でもあることだと思うんです。理子自身は全く悪くないんですが、結果的にその原因の一端を担ってしまったことについては、ちょっと罪悪感というか……永瀬的には申し訳ない気持ちになりました。

――そんな「懐玉・玉折」ですが、劇場版総集編だからこその見どころについてお聞かせください。
永瀬 テレビシリーズでの5話がひとつにまとまり、各話毎の切れ目がなくなったことで、登場人物の感情の流れがすごく分かりやすくなった印象です。これまで見てきた「懐玉・玉折」とは、また違う感覚で物語を楽しめるのが総集編ならではだと思いました。大スクリーンで、あの素晴らしい映像を観られるのも大きな魅力ですよね。バトルシーンはカメラワークがすごくて、めまぐるしく変わる場面とスピード感に目が追いつかなくなるぐらいでしたし、劇場環境に合わせて再リミックスした迫力の音響と相まって、深い没入感の中で五条たちが実際に体感している戦いの気分を皆さんも味わうことができると思います。特に五条の虚式「茈(むらさき)」は息を呑みながら観ていただけるんじゃないかな。

――一部楽曲が劇場版用にリアレンジされているところも気になるところです。
永瀬 個人的にはキタニタツヤさんが歌われている「青のすみか (Acoustic ver.)」を聴けるのがすごく嬉しいですね。より切なく、五条と夏油の儚くて短い時間によりそって作っているのがわかる楽曲に生まれ変わっていますので、皆さんも劇場の大音響で聴いていただき、その感動を共有してほしいなって思います。

――最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
永瀬 テレビ放送当時、5週間にわたってドキドキしながらみなさんが追いかけてくれていた「懐玉・玉折」が、ギュギュッと詰め込まれた劇場版総集編となりました。私自身も苦しかったり切なくなってしまうようなところもありますが、『呪術廻戦』の始まりの物語と言っても過言ではないこのお話を、ぜひ劇場版ならでの迫力満点の大きなスクリーンと素晴らしい音響で存分に楽しんでもらえたなら嬉しいです。

永瀬アンナ(ながせあんな)
3月31日生まれ。81プロデュース所属。主な出演作は『全修。』(広瀬ナツ子)、『きのこいぬ』(天野こまこ)、『異世界スーサイド・スクワッド』(ハーレイ・クイン)、『ぶっちぎり?!』(神まほろ)、『サマータイムレンダ』(小舟潮)ほか。