プロ志望届を提出した阪神・佐藤輝明の弟、関学大・佐藤太紀【写真:喜岡桜】

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兄は阪神・佐藤輝明…関学大4年の佐藤太紀内野手

 阪神・佐藤輝明輝明内野手の弟、関西学院大の大型打者・佐藤太紀内野手がプロ志望届を提出した。187センチの上背と、ウエートトレーニングで鍛えた体重98キロの堂々とした体格がポテンシャルの高さを感じさせる。しかし、鮮烈なプロデビューを果たした兄と異なり、太紀はまだ“原石”だ。

 兄が通った近大ではなく、関西学院高から関学大へ進学。2学年上の兄とは「生活している場所が違うので、あまり話をすることはなかった」という。昨年までの大学3年間は公式戦出場なし。デビューを果たした今春のリーグ戦では6試合出場で、6打数1安打。高校時代は通算12本塁打を放ったが、大学では目立った活躍ができていない。

 それでも、悔しさをにじませることなく、明るく振る舞う。

「プロへ行きたい気持ちはあるんですが、結果が残せていないんでね。(今年の指名は)無理でしょう。これでは社会人(野球への入部)も難しい」

 昨年、一般企業への就職を考え始めた一方で「まだやれる」との思いを捨てきれなかった。“未完の大器”は成長できる場を求め、独立リーグまで視野を広げている。

小、中学時代はヒットを意識…現在は長距離砲へモデルチェンジ中

 高校時代は「どんぶり3〜4杯くらいのご飯を食べて、脂肪が多い体型でした」。既に体重が97キロあったという。高校野球を終えた後に20キロ近く痩せてしまったが、大学入学から4年をかけ、食事とトレーニングで兄の体重を上回る98キロまで体を作り直した。「もっと増やせるはずです」とさらなるパワーアップに意欲を燃やす。ちなみに兄の身長、体重は公称で187センチ、94キロだ。

 熱心に体作りをするのには理由があった。「たくさんヒットで出塁することを意識してきたんです」。恵まれた体格ながら幼い頃から長打を狙わない打撃に徹してきた。

 しかし、高校では満足な成績を残せなくなり、大学で更に悩んだ。大きな体格を生かし、長距離砲を目指した結果、昨秋の非公式戦で9打数3安打3打点と結果を残すことができた。

 兄と異なる右打ちの太紀が参考にしたのは、エンゼルスのマイク・トラウト外野手ら海の向こうで活躍するパワーヒッターだ。安打量産型だった頃は腕や上半身を意識することが多かったが、「今は、動画を見ながら主に下半身と体幹の使い方を意識しています。(トレーニングも)下半身が多いですね」と口にする。

「(兄と比べられることは)多いですね。でも、全然違いますから。何も思いません。兄の弟だから見に来てくれる人もいたりと、受けられている恩恵もありますので。プラマイゼロです」。決して自己評価は高くない。しかし、「(NPBへ)行けるなら、1年でも早く行きたいですよ」と語気を強める。

 大きな可能性を秘めた血が流れていることは、兄がしっかりと証明している。まだまだ、発展途上の太紀は自らの可能性を追い求めていく。(喜岡桜 / Sakura Kioka)