オミクロン変異株で世界はどうなる? 外為オンライン佐藤正和氏
――「オミクロン株」が注目されていますが、為替市場への影響は?
今回は政府の対応も早く、11月30日午前0時をもって外国人の入国を禁止する措置に踏み切りました。それだけ高い警戒感を持たれていますが、手強いパンデミックになるかどうかは、もう少し様子を見ないとわからないと思います。
とはいえ、このニュースが世界中に流れた途端に、ニューヨーク株式市場は1000ドル以上下落し、為替市場も1ドル=114円台から一気に113円05銭まで円が買われました。恐怖指数といわれる「VIX指数」も10ポイント以上も上昇して28ポイント台をつけました。今のところ、オミクロン株の内容がはっきりしていないために、金融マーケットも戸惑いを見せている状況と言って良いでしょう。
――オミクロン株次第ではありますが、12月はどんな相場になるのでしょうか?
新型コロナウィルスのワクチン製造で先行したファイザーやモデルナは、いち早く新たな強敵に対してどの程度のワクチン効果があるのか、すでに検証に入っていると報道されています。たとえばモデルナは、感謝祭の25日の早い時間に数百人のスタッフを動員し、既存のワクチンが「オミクロン」株に有効かどうかを突き止める作業を始めたといわれています。
仮に既存のワクチンの効果が低いとしても、オミクロン株に対抗できるワクチンを、来年の早い時期に供給できる見通しだとも示唆しています。すでに経験したことのある状況に対して、世界中が素早く対応しており、ひょっとしたらそんなに悲劇的になる必要は無いのかもしれません。
とはいえ、金融マーケットは米国経済の回復を背景に、労働市場の復活やインフレに対する懸念で「リスクオン」の状況が続いてきました。12月は引き続き米国の雇用統計などの景気指標に注目が集まります。12月14日−15日に実施されるFOMC(米連邦公開市場委員会)にも注目が集まることになると思います。
――米国では2020年に3回の利上げがあるのではないかという予想も出ていますが?
米大手投資銀行の「ゴールドマン・サックス」が、このまま順調に進めば米国の政策金利は、2022年6月の引き上げを皮切りに、9月、12月の計3回になるのではないかと予想しています。最もタカ派的な予想ですが、それだけアメリカの景気回復が進んでおり、インフレも一過性のものでは無いことを物語っているといって良いでしょう。ちなみに、11月30日には米上院議会で、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長とイエレン米財務長官の議会証言があり、そこでどんな証言がされるのかが注目されるところです。
実際に、米国経済は順調に回復しており、たとえばFRBが重視している8月の「PCE(個人消費支出)デフレーター」は前年比4.3%に上昇しており、食糧とエネルギーを除く「PCEコアデフレータ―」も同3.6%。10月の「CPI(消費者物価指数)」でも前年同月比で6.2%となっており、FRBが目指していた2%のインフレ目標を大きく上回っています。
