オミクロン変異株で世界はどうなる? 外為オンライン佐藤正和氏
また雇用市場の回復も堅調で、12月3日に発表される11月の雇用統計では非農業部門雇用者数は53万5000人増と予想されており、前回の53万1000人増とほぼ同水準で推移しています。これで、3ヶ月連続の50万人越えとなります。失業率も4.5%と改善する予想で、オミクロン株の影響を無視すれば、ゴールドマンサックスの予想もあながちとっぴなものではない、と言っていいかもしれません。
11月は円安が進みドル円相場は、1ドル=115円52銭まで円安が進みました。オミクロン報道によって、113円台まで急激に円高に振れましたが、仮にオミクロン株が予想を上回る感染力や重症度が高い場合、安全資産への投資として円が買われる可能性もあるとは思います。とはいええ、1ドル110円を割れるような円高に振れることは考えにくいのではないでしょうか。
たとえば日銀の金融政策決定会合は、12月16日−17日にありますが、大きな変化は考えにくいと思います。ただ、オミクロン株が猛威をふるえば円買い材料になる確率が高く、世界的なパンデミックの進行状況では、ある程度の円高に振れる可能性はあると思います。
ちなみに、現在の欧州は連日新型コロナウィルスの感染者数が多数出ており、再びロックダウンのニュースが流れるなど、寒い冬に入ったこともあって感染者数の増加が今後も予想されます。ECB(欧州中央銀行)は、来年3月には現在のPEPP(緊急買取制度)による債券購入プログラムの期限が来ますが、延長されることになるのではないでしょうか。
――12月相場の予想レンジを教えてください。
毎年のことですが、12月の後半は欧米でクリスマス休暇に入る投資家が多くなるため、市場の流動性が少なくなり、変動幅の大きな値動きになる場合があります。とりわけ為替市場では、「フラッシュクラッシュ」と呼ばれる急激な市場変動が年末年始を中心に起こることが時々あります。あまり大きなポジションを抱えないほうがいいかもしれません。
加えて、オミクロン株の出現で市場はボラティリティーの大きなマーケットになっている可能性が高く、月後半は特に注意を要する必要があるかもしれません。12月の市場レンジの予想は次の通りです。
・ドル円・・1ドル=112円−116円
・ユーロ円・・1ユーロ=126円−132円
・ユーロドル・・1ユーロ=1.10ドル−1.16ドル
・英国ポンド円・・1ポンド=148円−155円
・豪ドル円・・1豪ドル=80円−84円
――12月相場で注意する点を教えてください。
やはり、12月相場は全体的に乱高下しやすくなり、市場の急激な変動に備えることが大切だと思います。12月3日の米雇用統計や4日の米ISM製造業指数といった米国の景気指標の発表時にはニュースを注意深く見る必要があると思います。
また年末年始は、市場流動性の縮小から思わぬ大きな価格変動があるかもしれません。ポジションを抑えて手堅い取引を心がけましょう。(文責:モーニングスター編集部)
