30℃を超すなか、徳島のリカルド・ロドリゲス監督はベンチコートを着て指揮を執り、会心の勝利をもたらした。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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[J2 24節]福岡 0-1 徳島/2017年7月23日/レベスタ
 
 闘争心を剥き出しにしてボールを奪ってゴールへ向かった徳島が、島屋八徳の気迫の1点を守り切り、2位の福岡に会心の勝利を収めた。
 
 この日の福岡市のキックオフ時の気温は31.3℃。立っているだけでも汗が止まらないような暑さ。しかし後半途中から注目されたのが、徳島のリカルド・ロドリゲス監督だ。
 
 両チームともに高い集中力を保ち、球際のデュエルで火花を散らす。一瞬の隙が、ピンチにもチャンスにも直結するスリリングな展開。真夏の熱いJ2上位決戦のなか、リカルド・ロドリゲス監督は、なぜかベンチコートを羽織って、戦況を見守り出したのだ。

 すると…それがまるで合図になったかのように、66分、島屋の決勝ゴールが生まれたのだ。
 
「前半に比べて後半は良くなった。早い時間帯のシュート精度を上げることは課題。ただ最後までポゼッションで戦う姿勢を貫き、相手のカウンターに苦しんだものの、本当によく耐えて守り切ってくれた」
 
 そう振り返ったR・ロドリゲス監督は、ベンチコートを着たらゴールが生まれたことについて「(背中にロゴが入っている)ポカリスエットを宣伝するために着ています(笑)」と語った。指揮官が着用すると徳島にゴールと勝利がもたらされる、ラッキーアイテムになっているようだ。
 
 これで徳島は3位に浮上。J1への自動昇格圏の2位・福岡に勝点3差、そして首位の湘南とは4差に縮まった。
 
 次節はその湘南とアウェーで対戦する(7月29日19時開始、BMWスタジアム)。指揮官は「リーグ戦は長く、まだ続く。勝点3を奪い、引き離されず差を詰めていくことが大切。すべての試合が大切だが、次の湘南戦に向けてしっかり準備したい。アリガトウ」と勝利を喜びつつ、早くも次節の決戦を楽しみにしているようだった。
 
文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)