ボルボES90 シングルモーター(1) 中国・成都工場生産で高い価格競争力 クラス随一の高級インテリア
ドイツ御三家と肩を並べるプレミアムか?
ボルボが、同社初の電動サルーンを発表したのは、2025年3月。スウェーデンの美術館が、その会場だった。ドイツ御三家と肩を並べるプレミアムだと、誇示するように。
【画像】確かな展望を予感させる ボルボES90 競合クラスのサルーンと写真で比べる 全147枚
ただし上級モデルでは、僅かな違いが確かな差を生む。ここ10年弱のボルボは、美しく操縦性は優れていても、快適性やエネルギー効率は期待へ若干届いていなかった。果たして、最新のES90はそんな印象を清々しく塗り替えるだろうか。

ボルボES90 シングルモーター・エクステンデッドレンジ・プラス(英国仕様)
プラットフォームは、SUVのEX90と同じバッテリーEV専用となるSPA2。全長は先代のS90より長く、5m丁度とのこと。ノッチバックのルーフラインが、優雅な佇まいを生む。T字状のヘッドライトや、C字状のテールライトは、路上での差別化を強める。
ホイールベースは3102mmと長く、優れたパッケージングへ貢献。英国では、シングルモーターで7万ポンド(約1470万円)を切り、価格競争力も高い。アルミホイールは、20インチから22インチまで選択できるが、小径の方が快適性では勝るはず。
333psの後輪駆動で過去にない高効率
EX90へ通じる、洗練されたスタイリングの内に秘めるのは、電圧800Vで制御される電動パワートレイン。駆動用バッテリーは88.0kWhと大きく、駆動用モーターはエントリーグレードでは333psのシングルで、後輪が駆動される。
ツインモーターの四輪駆動は、450psと680psの2択。最新の電動アーキテクチャにより、過去にないとボルボが主張する高効率を実現しつつ、急速充電は最大350kWとクラス最高レベルにある。高度な運転支援システムも実装される。

ボルボES90 シングルモーター・エクステンデッドレンジ・プラス(英国仕様)
ボルボがアクティブ・フォーCシャシーと呼ぶ、ツインチャンバー・エアサスペンションは、上級グレードのウルトラで標準。試乗したプラスは、通常のスプリングとダンパーが支える。前はダブルウイッシュボーン式、後ろはインテグラルリンク式となる。
ES90が生産されるのは、仕様を問わず中国・成都に構えた工場。アルミの29%、スチールの18%は、リサイクル素材だという。
インテリアは該当クラス随一の高級感
インテリアは、樹脂製パネルが目立つBMW i5やメルセデス・ベンツEQEより、確実に上質。特に明るめのカラーコーディネートは、違いを印象付けるものだろう。
ダッシュボード中央には、14.5インチのタッチモニター。後付けされたように宙に浮いているが、豪華さを乱してはいない。レザーに見えるのは、ペットボトルを再生した「ノルディコ」と呼ばれる合成皮革。布地や木材なども含めて、環境意識は高い。

ボルボES90 シングルモーター・エクステンデッドレンジ・プラス(英国仕様)
ステアリングコラムから伸びるレバーのソリッド感はBMWに届かず、樹脂製部品の一部は特有の匂いを放つが、高級感は該当クラス随一。サウンドシステムはボーズ社製が標準で、オプションでB&W社製へアップグレードできる。
操作系に物理スイッチがより多く充てがわれていれば、魅力は更に増すはず。ミラーの角度調整やフォグランプを灯すにも、タッチモニターへ触れることになる。運転席側のサイドウインドウ・スイッチは、前後の切り替え式だ。
良好な人間工学に、ゆとりある後席側の空間
タッチモニターのシステムは、グーグルがベース。グラフィックは高精細で、反応は素早い。数回のタップで主要な機能に辿り着け、メニュー構造も理解しやすい。ナビの画面は、メーター用モニター側にも表示できる。
便利に思えたのが、次に必要そうなショートカットが表示される、コンテキスト・ツールバー。スマートフォンを繋がずとも、ストレスは感じないだろう。シフトセレクターでRを選ぶと、モニターがカメラ映像へ固定されるのは、不便に感じることもあるが。

ボルボES90 シングルモーター・エクステンデッドレンジ・プラス(英国仕様)
運転席の人間工学は良好。座面は適度に高く、安心感ある運転姿勢を取れる。後席側の空間は、前後方向でクラス最大級。パノラミック・ガラスルーフから陽光が降り注ぎ、前席の下へつま先を深く入れられれば、リムジンのように寛げたはず。
荷室は、トノカバー下で424L。ハッチバックだから、必要ならガラス面ギリギリまで荷物は載せられる。フロント側にも、便利な収納が備わる。
気になる走りの印象とスペックは、ボルボES90 シングルモーター(2)にて。
