「うつ病」と「適応障害」の症状はどう違う?見分け方と早期治療の大切さ【医師解説】

現在は、「働く人の適応障害」が増えていると言います。一方で、うつ病の人も相変わらず多く、最近では新型うつ病など新しいタイプの病態もよく見られるようになりました。似たような症状も見られるうつ病と適応障害ですが、それぞれの症状はどのように違うのでしょうか? 今回は、メンタルドクタークリニックの紫藤先生に解説していただきました。

監修医師:
紫藤 佑介(メンタルドクタークリニック)

1987年東京都生まれ。東邦大学医学部を卒業後、2年間の研修期間を経て精神科医となる。精神科医として働く中で精神疾患に対する偏見や誤解の解消、早期受診の必要性を実感し、SNSで精神科の情報発信を始める。馴染みやすさと分かりやすさを重視した発信が精神疾患を持つ方に限らず話題となり、総フォロワーは10万人を超え、これまで4冊の著書を執筆。2022年に紹介制・会員制のメンタルケアクリニック「メンタルドクタークリニック」を開院し、インフルエンサーや経営者を中心にプライバシーに配慮したメンタルケア・コーチングをおこなっている。

編集部

うつ病と適応障害では、症状が異なるのですか?

紫藤先生

抑うつ状態の持続性や気分の落ち込みの程度に違いはありますが、だいたいの症状は似ています。

編集部

どのような症状が見られますか?

紫藤先生

主に精神症状、身体症状、行動面の障害という3つに分類されます。身体症状では吐き気、動悸、めまい、眠れない、頭痛、腹痛などの症状、精神症状ではイライラ、不安、抑うつ、気分の起伏がなくなる、集中力や思考力が欠如するといった症状、行動面の障害では出社拒否や不登校、他人に対して攻撃的になるといったトラブルが見られるようになります。

編集部

そうした症状が見られたら、早めに医師に相談した方が良いのですね。

紫藤先生

はい。適応障害はうつ病の手前とも言われており、適切な時期に対処をしないと、そのままうつ病へ進行してしまうリスクがあります。そのためできるだけ早めに医療の力を借りて、治療を開始することが必要です。

編集部

最後にメディカルドック読者へのメッセージがあれば。

紫藤先生

適応障害の場合は、ストレス自体を取り除くことで症状の改善が期待できますから、できるだけ早期に医療が介入することが大切です。反対に、ストレスを感じる状況にずっと身を置き続けると、うつ病に移行するリスクもあります。適応障害に比べてうつ病は治療期間が長く、薬物療法に頼らざるを得ないケースも多くなります。医師が診察した結果、休職や休学した方がよいという判断にいたれば、診断書を発行してもらうこともできますから、困ったことがあれば早めに医師に相談してほしいと思います。

※この記事はメディカルドックにて<「うつ病」と「適応障害」は何が違うかご存じですか? 症状についても医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。