【A4studio】バーガーキングの好感度が「異様に高い」ワケ、絶好調のマクドナルドを「追い抜く日」

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バーガーキングは今年2月、約3年ぶりとなる値上げを実施した。原材料費や物流コストの上昇を背景に、看板商品の「ワッパーチーズ」などを含めた30種類のバーガーメニューについて、30〜150円の上げ幅で価格を改定している。

一方、バーガーチェーンのなかで首位を独走するマクドナルドも、今年2月に値上げを実施。バーガーや飲料など約6割の商品において、10〜50円の値上げを行い、これにより看板商品の「ビッグマック」は480円から500円となり大台に乗った。

しかし、両社とも値上げという方針を打ち出したものの、SNSではその反応にかなりの差がみられている。3年ぶりの値上げとなったバーガーキングには寛容なコメントが相次いだ一方、マクドナルドに対しては値上げ頻度が高すぎると批判のコメントも。

マクドナルドは2022年から現在まで年1〜2回のペースで、合計7回の値上げを実施しており、こうした頻繁な価格改定が消費者の反感を買ってしまっているようだ。

業界トップを走り続けるマクドナルドだが、値上げに関する世間からの風当たりは年々増している。現在店舗数を急激に増やし好調ぶりを見せるバーガーキングが、その王座を奪う可能性はあるのだろうか。

今回は飲食店プロデューサー・コンサルタントとして活躍する江間正和氏に解説してもらった。(以下「」内は、江間氏のコメント)

記事前編は【なぜバーガーキングの値上げは許され、マクドナルドは許されないのか…反応に「大きな差」が生まれるワケ】から。

「企業努力の差」を指摘する声も

値上げについては“企業努力の差”を指摘する声もみられる。例えばバーガーキングの値上げを擁護する声のなかには《クーポンでその分安くしてるから別に良いよ》といった意見が。江間氏はクーポン制度における両者の企業努力の差についてこう語る。

バーガーキングのクーポン制度が評価されている点として、看板メニューの“ワッパー”など、人気商品に使えるクーポンが充実していることが挙げられます。そして100円以上の値引きがあるものなどクーポンの割引率もいい。

例えば『ワッパーチーズセット』や『スパイシーワッパーセット』といった人気のセット商品は、クーポンで150円割引になることもあります。安さを売りにするマクドナルドをはじめとする競合を意識してか、バーガーキングでは品質を維持しつつも、少しでもその価格差を埋めようとする努力がたしかに感じられます。

一方マクドナルドのクーポン制度については、“改悪された”や“使えない”といった声が一定数あるのが事実。マクドナルドの場合は、単価の低い商品のクーポンが多めなので、一商品あたりだいたい20円から50円の値引きにとどまり、割引率が低い傾向にあるのです」

簡単に値上げしない姿勢、また消費者にとって満足度の高いクーポンを充実させるなど、企業努力の面ではバーガーキングに軍配が上げられるのかもしれない。

厳しい声が集まるも絶好調なマクドナルド

マクドナルドは値上げに厳しい声が集まっている状況とは裏腹に、昨年12月の決算で過去最高益を記録するなど依然として好調ぶりを見せている。

マクドナルドのこうした世間の声と実際の業績のギャップはなぜ生じるのか。

「やはりマクドナルドの強みは、3000店以上という圧倒的な店舗数であり、その利便性で他チェーンと大きく差をつけていることにあります。人は行き慣れた飲食店に足を運ぶ傾向がありますので、店舗数の多さは重要なのです。特にマクドナルドは駅前などの回転率がいい立地の店舗も多いので、値上げした分、しっかりと利益を上げられる構造が出来上がっています。

また頻繁に値上げしていると言っても、それでもまだ全体の価格設定はバーガーキングやモスバーガーなどの競合と比較して、低価格であることに変わりはありません。冒頭でも説明したように、マクドナルドの客層は値上げに神経質であることからSNSなどにネガティブな意見が反映されやすいこと、また値上げするたびにメディアに大きく取り上げられることなどの事情があって、世間の声と実際の売上に乖離が起きやすいのです」

バーガーキングはマクドナルドを超えるか

対するバーガーキングは値上げを経てもSNSでは支持する声が多く、また最近では米金融大手のゴールドマンサックスが約800億円で買収したことで、大改革が期待されている。

これまで日本市場では苦労してきたバーガーキングだが、店舗数は今年4月で過去最大となる350店舗を突破。さらに2028年末までに全国600店舗を目指すと宣言しており、現在急速に店舗数を増やしている。現在勢いのあるバーガーキングが、今後首位の座に就く可能性もあるのだろうか。

「店舗数ではすでに首位のマクドナルドとは約10倍も差をつけられていますし、駅前などの利便性のあるエリアは競合でひしめき合っていることを考えると、追い越すことは現実的に簡単ではなく、難しいでしょう。

バーガーキングが今後もさらなる成長を遂げるには、人が集まりやすいエリアにいかに出店を増やすことができるのかという“物件開発能力”がまずカギになります。そして、マクドナルドのように多くの人から“行き慣れた店”として認知されるということも重要です。それには広告力や商品企画力、表現力などあらゆる角度から消費者に訴求する必要があるでしょう。

この二つをバーガーキングが今後どれくらい達成できるのかが注目すべきポイントになってくるはずです」

――値上げにネガティブな意見が目立つも業績でトップのマクドナルド、顧客からは熱い支持を集めつつも課題が多いバーガーキング。今後両者がどういった戦略を打ち出していくのか、引き続き注目していきたい。

(取材・文=瑠璃光丸凪/A4studio)

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