2度目の弾劾訴追を受けたトランプ大統領。原因となった議会乱入事件では、陰謀論を信じる「Qアノン」と呼ばれる熱烈な支持者が逮捕された。

【映像】議論がかみ合わない場面も

 Qアノンとは、陰謀論を展開し、「Q」という正体不明の人物が発信する言葉を信じる集団のこと。例えば、「アメリカは“ディープステート(影の政府と呼ばれる存在)”に支配されている」「トランプ大統領は悪魔崇拝者の小児性愛加害者に対し秘密の戦争を繰り広げている」「トランプ大統領はエリート層が築いた秩序を壊す救世主」「反トランプ勢力は子どもの人身売買を行っている」といった思想を持つ。

 彼らはなぜ陰謀論を信じるのか。15日の『ABEMA Prime』では、日本のQアノンであるQ Army Japan Flynn隊員のJさん(仮名)に話を聞いた。

 2019年秋にTwitterで「Q」について知ったJさんは、同年にQ Army Japan Flynnに入隊。2020年5月から全国を回ってQムーブメントを広め、団結を促す活動をしている。入隊のきっかけについて、「日本で生きている中で、ちょっと変だなと違和感を覚えたり、ニュースが一方的になっていたり、偏りがあると思う中で出会った。世界救済計画というものに基づいて行動していて、何がこの世の中に必要なのかを自分で考え出して行動している団体なので、そこに行ってみたいなと思った」と話す。

 Jさんは、現段階では“トランプ大統領=救世主”とはみていないという。「トランプ大統領が救世主だと崇めているわけではない。ただ、トランプ大統領の功績、例えば戦争を起こしていないことだとか、Twitterの発信を見ていく中で、今アメリカにはトランプ大統領が必要なんじゃないかと個人的には思っている」との考えを示した。

 では、「Q」から発信されるメッセージが本人のものだという真偽は、Qアノンの人々はどのように判断しているのか。「『Qマップ』というQの投稿を集めるところがある。結局それは誰かが集めてくれたものであって、それを(すべて)信じているかというと私は信じていない。必要な情報を精査している」。

 また、陰謀論については「陰謀論を信じるというよりは、自分が何をしたいか、何を伝えていきたいかという形でやっている。この世の中が良い方向に進むような、これは残しておくべきという情報を残していっている。ひとつの事実をどのように考えて、どのように改善していくのかというところになっていくと思う」とした。

 議会乱入事件では、「『Q』が私を派遣した」と自称するジェイク・アンジェリ被告ら多数が逮捕され、司法当局に起訴された。そういった“事実”をJさんにぶつけたが、「Qアノンがいたという事実確認ができていないが、仮にいたとしたらそこにいる理由はなかったと思う」と懐疑的な見方を示す。

 Jさんはアメリカに行ったことはなく、英語もからっきしだという。そうした中での“事実”の受け止め方に、アメリカ出身のシンガーソングライターのネルソン・バビンコイ氏は「逆にアメリカ人が日本の陰謀論をTwitterでトレンド入りさせる、日本に行ったことがなく日本語もわからない人たちが情報を拡散させているとした時に、Qアノンとか関係なく“一人間”としてどう思うか」と質問。Jさんは「それが必要かどうかで情報拡散をしているので、それを嘘だと思っているかどうかは個人の問題になってくる」と答えた。

 Jさんとの議論が噛み合わず進む中、ネルソン氏は母国(アメリカ)の陰謀論が日本のTwitterでトレンド入りしていることへの疑問を口にする。「トランプは陰謀論で始まった。2012年にトランプが『オバマはケニア出身だ』と言ったら、4年間でジワジワと支持者が集まってきて大統領になった。そこから今、Qアノンの陰謀論が日本のTwitterで広まっていったら、4年後どうなるか。陰謀論を推している政治家もいる中で、こういう人たちの言葉を取り上げるのは止めるべきだと思う」。 その上で、「ネットのコミュニティーというものは、実際の生活で少し外れてしまった人が家族を見つける場所。そこで家族になったら、家族の言うことは信じる。それが2ちゃん、4ちゃん、8ちゃん、Twitter、Facebook、Instagramと年々重なってきているので、今のうちに皆が意識を高くして接していかないといけない」と危機感を示した。
(ABEMA/『ABEMA Prime』より)