スキップされない動画の秘訣とは?YouTubeクリエイターハンドブックを読み解くシリーズ第1弾!

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2011年7月にYouTubeクリエイターハンドブック第1版をリリースして以来、YouTubeにはさまざまな変更が加えられてきました。進化する YouTube/動画市場に合わせて視聴者を獲得する新たな戦略やヒントが生まれ、クリエイターハンドブックも進化しています。

このクリエイターハンドブックを基に、movieTIMESでは効果的な動画とは何か?を考察し、YouTubeのみならず、動画マーケティングに広く活用して頂けるよう「YouTubeクリエイターハンドブックを読み解くシリーズ」としてお伝えしていきます。

現在、予定している配信コンテンツは以下のようになっています。
※変更になる可能性もあります。

今回は第1回「視聴者のこころをつかむ」についてお届けします。
動画の冒頭で視聴者の心をつかみ、より長く再生を続けてもらえるようにするには?をテーマにそもそも、「なぜ冒頭部分が大切なのか」といった理由や、「再生維持率の大切さ」「具体的な成功事例」を交えてご紹介していきます。

動画の再生時間を重要視しなければならない理由

動画となると、とかく「再生回数」が注目されがちですが、YouTubeでは”動画の魅力”を測るのに「再生時間の長さ(再生維持率)」を大切にしています。
心をつかむ動画はそれだけユーザーを動画に惹きつけ、結果的に動画視聴時間が長くなるからです。

YouTubeは2012年9月のブログにて正式に「なぜ動画の再生時間を重要視するのか?」についてこのように言及しています。

変更の一つとして、視聴者が再生してすぐに見るのをやめてしまうような動画よりも、実際に視聴者が長く見続ける動画がより関連動画として表示されるようにしました

この変更が行われた理由は、これまでのシステムでは動画の再生回数を増やすことで動画が見つかりやすくなるような設計になっており、結果として実際に楽しめる動画よりも、ついクリックしたくなるような動画に有利な仕組みになってしまっていたのです(セクシーなサムネイル画像を使った動画などが典型的な例ですね)。

現在のシステムでは、次に表示される動画だけでなく、その後に続いて表示される一連の動画も同様に、視聴者がより長く見続けるような動画が関連動画として表示されるようになっています。

引用元:日本版 YouTube クリエイター ブログ: YouTube Now: なぜ動画の再生時間を重要視するのか?

今や、1分間でYouTubeにアップロードされる動画は100時間と言われています。そんな膨大な動画が存在するプラットフォームであるが故、検索結果や関連動画として表示されることで、まずは動画を見つけてもらうことが、とても重要なポイントとなります。その為には、動画の「再生時間」が非常に大切な要素となっているのです。

長く視聴される具体的な方法とは?

それでは、多くのユーザーに「長く見てもらえる動画」を制作するにはどういった点に気をつければよいのでしょうか。

クリエイターズブックには以下のようにまとめられています。

多くの視聴者は、動画の再生を続けるどうかを最初の数秒で決めます。
早い段階で視聴者の心をつかみ、その後も注意を逸らせないようにします。

  • 最初の映像を魅力的なものにします。
  • すぐに視聴者に語りかけます。
  • どのような内容の動画かを冒頭で視聴者に伝えます。
  • 視聴者の好奇心を刺激します。
  • 質問を投げかけます。
  • 冒頭部分を動画の「予告編」として使います。
  • よほどすばらしいものでない限り、ブランディングの表示は 5 秒以内に。

アドバイスは具体的ではありますが、実際に映像で表現すると、どのようになるのでしょうか。今回は上記のポイントを的確に踏まえた成功事例をご紹介しつつ、具体的に視聴者の心をつかむ方法を確認していきましょう。

初めの15秒でインパクトある動画を

上記にあげたポイントは「映像の冒頭部分」についての言及がほとんどです。
これは一般的に、「動画視聴中の離脱率について、どんなに中身の良い動画でも開始15秒で1/2が離脱し、30秒では2/3が離脱すると言われており、15秒~30秒の間が、ユーザーがそのまま視聴し続けるか、離脱するかを分かつ最重要ポイントである」といったことが定説となっているからです。
実際、Googleの視聴者維持レポートでも「どの動画でも最初の 15 秒間に注意する必要があります。再生をやめる視聴者が最も多いのがこの時間帯です。」と記述があります。

それでは、さっそく冒頭に工夫を凝らしている動画をご紹介します。一体どのようにポイントが活かされているのかを見て行きましょう。

事例その1:BlendTech社のミキサー動画

アメリカのミキサーメーカーBlendtech社は、自社製品のミキサーを使い、カメラやiPhoneや人体模型まで、どんなものでもミキサーで粉々にする動画を公式サイト、YouTubeチャンネルにて公開し続けています。そのインパクトの強さゆえ、公式サイトはアメリカ内で何度もメディアに取り上げられており、誰もが知っているミキサーメーカーです。(参考記事)

現在、公式サイトのTOPページで公開されているのはこちらの動画です。どのような点が優れているか、見てみましょう。

・よほどすばらしいものでない限り、ブランディングの表示は 5 秒以内に。
・質問を投げかけます。
・すぐに視聴者に語りかけます。

このポイント通り、5秒付近でブランディング(Blendtech)が終了しています。すぐに視聴者に話しかけ、質問を投げかけるにもあてはまっています。

・どのような内容の動画かを冒頭で視聴者に伝えます。
・視聴者の好奇心を刺激します
・冒頭部分を動画の「予告編」として使います。

冒頭15秒までに、過去に粉砕した数々の物を見せることで、視聴者の好奇心を刺激しています。

YouTube公式チャンネル内にて過去の動画を見てみると、共通して最初の15秒で視聴者を惹きつけ、30秒になるまでには必ず「今回の動画では何がミキサーにかけられるのか?」が明らかにされています。
砕かれるものを「チラ見せ」することで、実際に粉砕れているシーンを見ることを期待させ、続きを見たいと思わせています。

>>国内事例では動画広告TOP10入りを果たしたあの動画の秘密が!

事例その2:電子書籍ストア「LiveBook」のPR動画

続いては国内事例です。電子書籍を取り扱う株式会社BookLiveが制作した広告動画「デジタル本兄弟」。2013年の国内で人気の広告動画トップ10にランクインした映像です。

TOP10には「コカ・コーラ」「NIKE」「au」などの大手企業が名を連ね、そのほとんどがTVCMとの連動を仕掛ける中、オンライン上のみで勝負をしている「デジタル本兄弟」がTOP10入りをしたのは驚くべきことです。

動画はこちらになります。

こちらも冒頭5秒でブランディングの表示を終わらせています。そしてこの広告の主役である「デジタル本兄弟」を15秒までに登場させ、視聴者にインパクトを与えています。
そして30秒に差し掛かる頃にイントロが終わり、ダンスが始まることで動画にメリハリがつき、続きを見たくなります。

こちらの動画の尺は2分28秒ですが、平均再生時間は2分1秒。動画の70%までは視聴が続いています。動画広告では2分28秒という尺は長めですが、最初のインパクトとコンテンツで、ここまで再生時間を維持できることが分かります。

動画が短ければいいわけではない

2つの事例を見て、長く視聴してもらうための動画の冒頭を具体的にイメージが沸いたでしょうか?もしかすると「15秒〜30秒が大切ならば、全体の長さを30秒までにすればいいのではないか」と思われた方もいるかもしれません。しかし、これについては以下のようなデータが出ています。

2013年8月、VideoHubによって行われた調査結果によると、下記の棒グラフのように、動画の尺と完全視聴率(コンプリーション・レート)の間には相関関係が見られず、広告の尺が短いからと言って完全視聴率が高い(=より長く見てもらえる)とは限らないことがわかりました。
すなわち、動画尺はコンプリーション・レートに影響を与えないということです。

▼動画尺別 CTRとコンプリーション・レート


[凡例] 棒グラフ:コンプリーション・レート、折れ線グラフ:CTR

その一方で、動画尺とCTRには相関関係があるようです。30分〜60分の動画を除き、1分を超える動画は尺が伸びるほどCTRも伸びていることがわかります。
60分超の動画に関してはCTRが2.2%近いという結果になりました。

ここからわかることは、動画の尺と完全視聴率は相関関係を持たない一方で、動画の尺が長いほどCTRは高いので、視聴者を惹きつける動画であれば、尺が長い動画の方が、より多くのクリックを集める事ができる、すなわち、“動画の効果を高める”と言えそうです。

長い動画を作る際のポイント

長い動画の方がより多くの効果をもたらすことはわかりましたが、一方で魅力的な内容でなければ、再生維持率を高めることは難しく、その効果は期待できません。それでは、どのようにすれば魅力的な動画になるのでしょうか。
クリエイターハンドブックでは長めの動画を作る場合のポイントを以下のように挙げています。

・グラフィックス、動画内でのメッセージ、または他の制作手法を使用して、これから始まるコンテンツに対する視聴者の興味をそそります。

見所を抜き出し、独立した短めの動画としても公開できるクリップを作成します。このようにすれば、制作したコンテンツを最大限に活用できます。

・ロング バージョンの動画の視聴者を集めるため、プロモーション用クリップや予告編を作成することを検討します。
これらのクリップにアノテーションを追加して、ロング バージョンの動画へのリンクを設定します。

・ストーリーの進行が一方向でない場合(時系列に語られないなど)は、アノテーションやグラフィックスを使って動画内の特定のセクションにジャンプできるようにします。動画の説明にタイムコードを記述すると、動画のその場所へのリンクが自動的に設定されます。

▼アノテーションによってセクションを行き来できる仕組み

アノテーションでユーザーへ選択の自由を与えたり、まずは短い動画を見てもらい、興味がある人にだけ長い動画を見てもらう。
そうすることで、よりエンゲージメントが高いユーザーにだけ動画を届けることが出来ます。

シリーズ動画を作る際のポイント

長い動画をシリーズものとして、公開する方法もあります。その際のポイントは以下のようになります。

・各動画の冒頭に背景説明を入れます。シリーズを初めて見る視聴者に、その動画が連続シリーズの一部であることがすぐに伝わるようにします
できれば、それまでのエピソードのあらすじをおさらいします。

・動画の説明に、シリーズに関する情報、公開スケジュール、公開日、リンクを入れます。

キーワードとして使用される動画タイトルに、エピソードの番号などシリーズの何番目の動画かがわかるような情報を入れます

・動画内メッセージ、グラフィックス、アノテーションを使用して、シリーズの次の動画、予告編、または再生リストに視聴者を誘導します。

▼動画の末尾にアノテーションで、誘導

まずパッとみた時に動画が「シリーズもので、何話目なのか分かる」、そして興味をもってくれたユーザーに「次の動画へスムーズに誘導(案内)」することが何よりも大切なようですね。

第1回目 まとめ

現在のYouTubeマーケティングでは再生数のみが重視されがちですが、今まで見てきた通り、再生数はひとつのKPIでしかありません。
「どれだけの時間、ユーザーに見られたか」という視点をもつことも大切であり、それは、視聴者にとっては魅力的なコンテンツである最大の証となります。
再生維持率が長ければ、シェア数にも影響を与え、バイラル動画へと発展する可能性も増すでしょう。「動画の冒頭15秒〜30秒」を大切にし、魅力的な動画をつくりましょう!

第2弾:アノテーションの効果的な使い方とは?はこちら

YouTubeについて取り上げてほしいことなど、TwitterやFacebbook、お問い合わせページからリクエストもお待ちしております。

[参考]

視聴者の心をつかむ - YouTubeクリエイターハンドブック

動画開始後30秒のゴールデンタイムで惹きつける 〜ミキサーメーカーBlendtech社〜

動画広告のサイズは大きい方がいい?長さは?米国調査レポートから見る動画広告パフォーマンス