親が亡くなったあと、実家を放置すると固定資産税が「6倍」に!? 解体してしまったほうがよいのでしょうか? 空き家の税負担と注意点を解説
空き家となった実家を放置すると固定資産税が高くなる理由
国土交通省によると、空き家を放置し続けていると、特定空家や管理不全空家として指定される場合があります。特定空家や管理不全空家への指定後に指導を受けても放置を続け、勧告を受けると「住宅用地の特例」が受けられません。
住宅用地の特例とは、1月1日時点で人が住むために使用されている家の土地は、固定資産税の負担が軽減される制度のことを指します。国土交通省によると、住宅用地の特例が適用されると次のような基準で負担が軽減されます。
・土地の200平方メートル以下の部分:課税標準×6分の1
・土地の200平方メートルを超える部分:課税標準×3分の1
つまり、住宅用地の特例がなくなると、課税標準が最大6倍になります。課税標準額を基に固定資産税を計算するため、税額も200平方メートル以下の部分は6倍、200平方メートルを超える部分は3倍になるでしょう。
特定空家や管理不全空家に指定される条件
特定空家は、その人の持つ不動産の管理が行き届いておらず、倒壊するおそれがある場合に指定される可能性がある家を指します。空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)第2条2項では、次のような条件に合致するものが特定空家と定めています。
・放置すると倒壊など著しく保安上の危険がある
・衛生上有害となるリスクがある
・管理不足により周辺の景観を著しく損なっている
・その家がある周辺の生活環境の保全を図るために放置することが適していない状態にある
実家を一切手入れせずに放置し続けると、上記に該当する可能性があります。さらに、特定空家までいかずとも、そのままにしておいた場合、特定空家になりかねない空き家は「管理不全空家」の指定対象となるため、注意が必要です。
空家法第13条1項では、管理不全空家に指定されると、特定空家の条件を満たさないように必要な対策を取ることを、持ち主に対して指導できると定められています。
実家を解体した方がよいケースとは
まず、今後も実家の管理をすることが難しく、実家の築年数も古い場合は、解体を検討した方がよいでしょう。先述したように、持っている空き家を管理せずに放置し続けると、特定空家や管理不全空家として行政から指導を受ける可能性があるためです。
また、築年数が古い家は状態にもよりますが、すぐには売れにくいケースも少なくありません。管理できず長期間売れるのを待つよりは、解体をして土地を売った方が、結果として維持費や管理負担を抑えられる場合もあります。
一方、一時的に管理ができていないだけで、管理体制が整う場合や、再利用する予定が決まっているときなどは、解体しなくてよいこともあるでしょう。
家の解体費用をおさえるポイント
解体業者を選ぶ際は、複数業者から見積もりを取ることが大切です。比較するときには、費用の内訳も聞いておきましょう。業者によっては、あとから追加料金がかかる可能性があります。
また、実家の不用品処分を行う際、できるだけ自分で処分できるものはしておくと、費用が節約できます。
なお、解体や不用品の処分に関しては、自治体から補助金を受け取れる場合があるため、実家がある自治体の補助金を確認しておくとよいでしょう。
空き家を放置し続けると、特例が利用できない分固定資産税が高くなる可能性がある
空き家を放置し続けると、特定空家や管理不全空家として指定される可能性があります。特定空家や管理不全空家になって勧告を受けると、固定資産税の計算における住宅用地の特例を受けられません。特例で安くなっていた分がなくなるため、勧告を受ける前よりも支払う固定資産税額が高くなります。
実家が古く買い手が付きにくかったり、今後も管理ができなかったりする場合は、解体も選択肢のひとつです。解体を検討するときは、複数業者から見積もりを取り、追加料金がかからないかなど詳細を事前に確認しておきましょう。
出典
国土交通省 空家法とは
デジタル庁 e-Gov法令検索 空家等対策の推進に関する特別措置法(平成二十六年法律第百二十七号) 第二条(定義)、第十三条(適切な管理が行われていない空家等の所有者等に対する措置)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
