自動車のトランプ関税が15%で妥結 日本政府やメーカーがあの手この手
「どんなに米国に譲歩しても、日本人のニーズを満たしていなければ、結局、米国車は売れないだろう」─。こうこぼすのは日系自動車メーカー関係者。
日米関税交渉で懸念されていた25%の追加関税は15%で決着。これと引き換えに米国は米国車の安全基準の手続きを簡素化するといった日本の国内市場開放を迫る。トランプ米大統領は日本市場で米国車が売れていないことを問題視しており、日本の安全基準などを「非関税障壁だ」と批判していた。
そもそも日本は国連の自動車の量産を認める型式認定の相互承認協定に加入して安全性を担保している。そのため、同じ協定を結んでいる欧州やアジアなどの国々では、追加検査をしなくても日本で販売ができる。
一方、米国はその協定に加入しておらず、自国の独自基準を原則に各メーカーの責任で安全性を担保している。そこで日本は米国が同協定の加入国に輸出している車であれば、日本国内でもデータ確認だけで受け入れることを可能にする考えだ。
他にも「輸入自動車特別取扱制度」の対象台数を拡大することも交渉材料に上がる。1車種につき、年間5000台を上限に簡素な書類審査で日本での販売を許可するという制度だ。中国のBYDが活用した。ただ、米国車の場合、過去に5000台を超えたのはジープなどしかなく、そのジープでさえ、24年度の販売台数は1万台弱だ。
日本で売れている米国車は「ジープ」くらいしかない
民間企業も様々な提案や対策を打ち出す。ホンダが日本で生産している米国向けハイブリッド車を米国生産に移管したり、米国に生産拠点を持たない三菱自動車は日産自動車の米国工場を活用したOEM(相手先ブランドによる生産)を検討中だ。
さらにトランプ氏が主張する貿易赤字の解消に寄与する策として、トヨタ自動車会長の豊田章男氏は同社が北米で生産しているトヨタ車を日本に逆輸入して日本で売ることや米国車をトヨタの販売店で売ることなどを提案したりもしている。
ただ、米国車は大きくて日本の道路事情に合っておらず、燃費も悪い。市場を開放しても販売が伸び悩む懸念は残り続けることになりそうだ。
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