[6.22 J1第21節 横浜FC 0-4 広島 ニッパツ]

 左膝半月板の手術を乗り越えたサンフレッチェ広島U-20日本代表MF中島洋太朗が、待望の公式戦復帰を果たした。後半29分から途中出場した横浜FC戦後、クラブ期待の19歳は「個人としては何もしていないけど、チームが勝てたこととケガなくプレーできたことは次につながると思う」と喜びを語った。

 公式戦のベンチ入りは、途中出場から5分後に負傷交代した4月2日の鹿島戦以来2か月半ぶり。試合前のウォーミングアップではサポーターから何度も名前をコールされ、チームメートに促されながら初々しく声援に応えていた。「待っててくれたんだなという気持ちが本当に伝わって、とても嬉しかったです」。オーストリアでの手術を乗り越え、温かく迎えられた19歳は素直な喜びを抱きながら試合に入った。

 それでもひとたびピッチに立てば、19歳とは思えない貫禄あふれるプレーを見せた。

 まずは投入直後の後半30分、ファーストプレーでさっそく魅せた。中盤のスペースに顔を出して前を向き、左サイドを走る味方を囮に使うと、ゴール前に右足アウトサイドのスルーパスを配球。これが絶妙なカーブを描いてペナルティエリア内のFW木下康介にぴたりと届き、4-0とするゴールにつながった。

 ところが中島は試合後、パスの狙いを正直に明かした。「狙ってないです(苦笑)。ジャメくんを狙って、風か何かで強くなって……」。中島が狙っていたのは、木下より左寄りのコースに走っていたFWジャーメイン良。木下のゴール直後にはチームメートからの祝福を苦笑いで浴びていたが、狙いどおりではなかったからこその表情だったようだ。

 それでも得点者の木下以上に大きな輪が作られたチームメートの祝福には「嬉しかったですね」と中島。取材エリアでは後ろを通りかかったMF中野就斗から「あのパス、狙ってませんってちゃんと言っとけよ」といじられていたが、その表情からも喜びがにじんでいた。

 その後も落ち着いたプレーでパスワークに加わり、約20分間の出場で4-0の完封勝利に貢献した中島。長時間のプレーに必要な心肺機能や瞬発性は向上の余地を残しており、「感覚とかはあまり問題ないけど、コンディションのところはもっともっと上げていかないといけない」と話すが、後半戦に向けて首位を追うチームにとっては大きな戦力合流となった。

(取材・文 竹内達也)