電撃移籍の舞台裏 トレードを志願していた西武・佐藤龍世

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天然キャラ

西武から中日に金銭トレードで移籍することになった佐藤龍世。20年のコロナ期間中の不祥事や、今年3月の寝坊による飛行機乗り遅れでの3軍降格などもあり、懲罰トレードとの見方も広がっているが、本人の心は晴れ渡っているという。

「僕は西武ライオンズがめちゃくちゃ好きでした!」

トレードが発表された翌日となる6月16日、佐藤は自身のSNSで心境を明かしている。

「そこには渡辺久信前GMや松井稼頭央前監督など、西武でお世話になった関係者への感謝の気持ち、大好きなチームメイトと一緒にやれなくなる寂しさが綴られています。いろいろと騒がせることもあった佐藤はたしかに偏屈で融通がきかない部分もありますが、身勝手な言動をとるような選手ではない。

富士大の先輩でもある外崎修汰は、そういうタイプをもっとも嫌うんですが、その外崎が『かわいいやつ』と言って目をかけていた。むしろ天然で抜けたところがあって先輩からはかわいがられ、後輩にも好かれていた」(西武担当記者)

そんな愛着のある球団を離れることになっても佐藤に気落ちするところがないのは意外に思えるが。

厄介払いなのか

「今春のキャンプでチームの活性化を図りたい西口文也監督は外崎をセカンドからサードにコンバート。佐藤にも『競い合ってほしい』と期待していたのですが、佐藤は慕っている外崎と同じポジションで争いたくないと、みずから外野を希望したんです。

しかし、そんな姿に西口監督は肩を落とし、見切りをつけた。相手が大学の先輩であろうが押しのけてでもつかまないといけない世界ですからね。ファームで成績を残していても1軍に呼ぼうとはしなかった。

ただ、そうした状況もあり、佐藤の方も以前から球団にトレードを志願していたんです」(球団関係者)

今回のトレードは一方的に佐藤が切り捨てられたわけではなかった。

「球団も最初は選手同士でのトレードを模索したと思いますが、まとまらなかったんでしょうね。ただ指揮官に使う気がない以上、チームに置いておいてもしかたがないし、それは本人のためにもならない。

球団としては厄介払いしたようなところもあるのかもしれませんが、佐藤も中日はサードに故障者が続出していてすぐにチャンスをもらえるでしょう」(前出・担当記者)

実際はWin-Winのトレードだったのだ。

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