SBIホールディングス会長兼社長・北尾吉孝が打ち出す「メディア・IT・金融の融合」戦略
新たなグローバル展開のあり方を探る時
─ 世界が混沌とする中ですが、日本の立ち位置はどうあるべきだと考えますか。
北尾 今のままでは、夏の東京都議選挙、参議院議員選挙ともに、与党は大敗する可能性があります。これを機に、政界を大再編するのがいいのではないかと私は考えています。
大再編は以前から主張してきましたが、果たして自民党が中核になることがいいことなのかどうか。幸い、旧安倍派の中心だった方々が復活してきていますから、頑張ってもらいたいですね。
先日、旧安倍派の有力議員だった方と話をしたのですが、米国の関税政策への対応では「アラスカLNG(液化天然ガス)開発が1つのカギ」だという話をされていました。
これは巨額の投資を伴うので簡単なプロジェクトではありませんが、日本にとっては中東一辺倒になっている化石エネルギーをアラスカから輸入できることも大きいですし、米国が推すプロジェクトに投資することで関税問題を解決することにもつながるかもしれません。
─ 日米両国ともに利益を享受できる可能性があると。
北尾 そうです。日本が投資した実績をつくり、米国からうるさく言われなくなる可能性を持つプロジェクトだと思います。
今回の関税交渉は、日本の産業構造を見直す機会でもあると思います。例えば自動車業界は今の関税でも厳しい状況にありますが、今なお日本には多くの自動車メーカーがありすぎる。これは化学でも製薬でも同じで、これからは、国内での無駄な競争はやめて、競争できる分野で戦うべきです。
─ グローバル展開のあり方を見直す時だということですね。
北尾 まさにそうです。かつてのグローバリゼーションは、人件費、生産コストが安い国でつくることで一見成功したように見えました。それがコロナ禍の時に、多くを中国に依存していたことに気づいたわけです。今後のグローバリゼーションでは、「地産地消」をいかにグローバルに展開していくかが肝要です。米国に工場をつくり、米国のマーケットに供給する、あるいは東南アジア向け製品の生産拠点を東南アジアにつくって、そこから供給する。「地産地消」のグローバル供給網を築き上げることが、日本のメーカーにとって最も大事な戦略ではないかと思います。
─ その新たな体制の中で、日本は高付加価値のものをつくっていくということですね。
