「1分でも出たいと…」失意の欧州遠征から1年9か月、森下龍矢が悲願のA代表初ゴール「幸せです!」
[6.10 W杯最終予選 日本 6-0 インドネシア パナスタ]
ポーランドの地でゴール・アシストを重ねることでキャリアを切り拓いてきたDF森下龍矢(レギア・ワルシャワ)が、1年半ぶりの日本代表復帰戦でも結果を残した。試合後、大勢の報道陣の前に満面の笑みで姿を見せた28歳は「今季15点目を取れて、気持ちよくオフシーズンを迎えられて幸せです!」と高らかに喜びを語った。
森下はインドネシア戦に3-4-2-1の右ウイングバックで先発出場し、欧州組招集制限のあった昨年1月1日のタイ戦以来の代表戦出場。後半10分、左サイドを駆け上がったFW町野修斗からのクロスにファーサイドで反応し、右足ボレーシュートで念願のA代表初ゴールを奪った。
Jリーグ時代はサイドバックやウイングバックが主戦場だったが、所属先のレギア・ワルシャワではウイングやインサイドハーフ、時には1トップのポジションを任され、“ボックスプレーヤー”としての新境地を切り拓いてきた森下。このシーンでも欧州での経験が活きていたという。
「ゴールシーンだけ切り取ればポーランドでもああいう形がいっぱいあったし、落ち着いて得点を決めることができたというのが総括になるけど、それよりも逆サイドにある時に毎回入っていたので、それが得点につながったんじゃないかと思います」
「僕のプレースタイルというか、それは点を取ることなんで。そのために常に走り込む、労を惜しまずにそこまで行けるというのが僕の強み。Jリーグにいる時から運動量のある選手と言われていたけど、どう運動量を使うのかというところが海外に行ってからすごく研ぎ澄まされてきたんじゃないかと思います」
待ちに待った復帰初陣のオーストラリア戦は無念の出場なし。攻撃力に磨きをかけてきた自負があるだけに、0-1というビハインドで頼られなかったことに悔しさはあったはずだが、その悔しさをもパフォーマンスに昇華してみせた。
「オーストラリア戦はもちろん自分だって試合に出たい気持ちがあったし、それは選手なので当たり前だと思うけど、出る出ないは僕が決めることじゃないので、そこはもうコントロールできるところじゃない。みんなが全力で戦った上で、最後はボス(森保一監督)が決めることなので、もうそこは大リスペクトして。ただ2試合目に先発で行くと決まった時は、オーストラリアでの試合に出られなかった悔しさ、ベンチから『俺だったらここで点を取れるかもしれない!』と思ったもどかしさをピッチで出せて良かったです」
A代表でピッチに立てない悔しさを味わうのはこれが初めてではなかった。
23年6月にA代表に初招集され、初陣のエルサルバドル戦でさっそくフル出場を果たした森下だったが、続く9月の欧州遠征では大きなモチベーションを持って臨んだドイツ戦、トルコ戦で立て続けに出番なし。トルコ戦の試合後、悲壮感に満ちた表情でスタジアムを後にする姿からは他の選手以上の失意を感じさせていた。
「あの時は本当に悔しかったですね。トルコ戦で1分でも出たいと思って一生懸命アップしてましたけど、残念ながら出ることができなくて……」
それでも1年半後の今回は異なる結末を迎えた。
「あの時の悔しさはあるし、今回も1試合目に出なかった時にもしかしたらそうなるんじゃないとよぎることもあったけど、そこが海外に行ったたくましさなんですかね。(試合に)出たらやるんだと。そういうたくましさみたいなのを自分でキープしたまま代表活動に取り組めて成長を感じました」
昨年1月に名古屋からレギア・ワルシャワに期限付き移籍するも、思いどおりのパフォーマンスを発揮できなかった半年間を経て、今季は飛躍の14ゴール14アシスト。UEFAヨーロッパカンファレンスリーグでは準々決勝進出を果たし、世界的メガクラブのチェルシーに挑んだ経験が心の支えとなっている。
そのたくましさはポジション争いの余裕も生んでいる。当時は同世代のMF三笘薫に加え、MF久保建英からの衝撃を口にしていたが、「自惚れかもしれないけど、それがいまは“衝撃”という感じではなくて、そこまで辿り着きたい場所」と森下。「カンファレンスリーグでチェルシーとやった経験も踏まえて、それが神格化された場所ではなくて、自分にも現実的に届く場所なんじゃないかと思えるようになってきた」と明かす。
さらに森下は「28歳ですけど、ルーキーの気持ちで頑張りたいと思います」と笑顔で宣言。日本代表での生存戦略にも迷いはないようだ。
報道陣から生き残りに向けた狙いを問われ、「点です点。点とアシスト」と言い切った森下。「今日良いプレーしたねとか、今日は良くなかったねとか主観的な評価ではなく、自分自身が自分に冷酷になって、点を取ったかアシストしたか数字を残したかという客観的な数字にこだわりたいと思っているし、(ライバルに)今回一歩リードというわけではないかもしれないけど、自分の中ですごく手応えがあった。この1点を積み重ねていくこと以外、28歳の僕に上に行けるものはないんじゃないかなと思っています」。こだわってきたことで掴んだA代表初ゴール。1年後の大舞台に向けても、とにかく“数字”を残し続けるのみだ。
(取材・文 竹内達也)
ポーランドの地でゴール・アシストを重ねることでキャリアを切り拓いてきたDF森下龍矢(レギア・ワルシャワ)が、1年半ぶりの日本代表復帰戦でも結果を残した。試合後、大勢の報道陣の前に満面の笑みで姿を見せた28歳は「今季15点目を取れて、気持ちよくオフシーズンを迎えられて幸せです!」と高らかに喜びを語った。
森下はインドネシア戦に3-4-2-1の右ウイングバックで先発出場し、欧州組招集制限のあった昨年1月1日のタイ戦以来の代表戦出場。後半10分、左サイドを駆け上がったFW町野修斗からのクロスにファーサイドで反応し、右足ボレーシュートで念願のA代表初ゴールを奪った。
「ゴールシーンだけ切り取ればポーランドでもああいう形がいっぱいあったし、落ち着いて得点を決めることができたというのが総括になるけど、それよりも逆サイドにある時に毎回入っていたので、それが得点につながったんじゃないかと思います」
「僕のプレースタイルというか、それは点を取ることなんで。そのために常に走り込む、労を惜しまずにそこまで行けるというのが僕の強み。Jリーグにいる時から運動量のある選手と言われていたけど、どう運動量を使うのかというところが海外に行ってからすごく研ぎ澄まされてきたんじゃないかと思います」
待ちに待った復帰初陣のオーストラリア戦は無念の出場なし。攻撃力に磨きをかけてきた自負があるだけに、0-1というビハインドで頼られなかったことに悔しさはあったはずだが、その悔しさをもパフォーマンスに昇華してみせた。
「オーストラリア戦はもちろん自分だって試合に出たい気持ちがあったし、それは選手なので当たり前だと思うけど、出る出ないは僕が決めることじゃないので、そこはもうコントロールできるところじゃない。みんなが全力で戦った上で、最後はボス(森保一監督)が決めることなので、もうそこは大リスペクトして。ただ2試合目に先発で行くと決まった時は、オーストラリアでの試合に出られなかった悔しさ、ベンチから『俺だったらここで点を取れるかもしれない!』と思ったもどかしさをピッチで出せて良かったです」
A代表でピッチに立てない悔しさを味わうのはこれが初めてではなかった。
23年6月にA代表に初招集され、初陣のエルサルバドル戦でさっそくフル出場を果たした森下だったが、続く9月の欧州遠征では大きなモチベーションを持って臨んだドイツ戦、トルコ戦で立て続けに出番なし。トルコ戦の試合後、悲壮感に満ちた表情でスタジアムを後にする姿からは他の選手以上の失意を感じさせていた。
「あの時は本当に悔しかったですね。トルコ戦で1分でも出たいと思って一生懸命アップしてましたけど、残念ながら出ることができなくて……」
それでも1年半後の今回は異なる結末を迎えた。
「あの時の悔しさはあるし、今回も1試合目に出なかった時にもしかしたらそうなるんじゃないとよぎることもあったけど、そこが海外に行ったたくましさなんですかね。(試合に)出たらやるんだと。そういうたくましさみたいなのを自分でキープしたまま代表活動に取り組めて成長を感じました」
昨年1月に名古屋からレギア・ワルシャワに期限付き移籍するも、思いどおりのパフォーマンスを発揮できなかった半年間を経て、今季は飛躍の14ゴール14アシスト。UEFAヨーロッパカンファレンスリーグでは準々決勝進出を果たし、世界的メガクラブのチェルシーに挑んだ経験が心の支えとなっている。
そのたくましさはポジション争いの余裕も生んでいる。当時は同世代のMF三笘薫に加え、MF久保建英からの衝撃を口にしていたが、「自惚れかもしれないけど、それがいまは“衝撃”という感じではなくて、そこまで辿り着きたい場所」と森下。「カンファレンスリーグでチェルシーとやった経験も踏まえて、それが神格化された場所ではなくて、自分にも現実的に届く場所なんじゃないかと思えるようになってきた」と明かす。
さらに森下は「28歳ですけど、ルーキーの気持ちで頑張りたいと思います」と笑顔で宣言。日本代表での生存戦略にも迷いはないようだ。
報道陣から生き残りに向けた狙いを問われ、「点です点。点とアシスト」と言い切った森下。「今日良いプレーしたねとか、今日は良くなかったねとか主観的な評価ではなく、自分自身が自分に冷酷になって、点を取ったかアシストしたか数字を残したかという客観的な数字にこだわりたいと思っているし、(ライバルに)今回一歩リードというわけではないかもしれないけど、自分の中ですごく手応えがあった。この1点を積み重ねていくこと以外、28歳の僕に上に行けるものはないんじゃないかなと思っています」。こだわってきたことで掴んだA代表初ゴール。1年後の大舞台に向けても、とにかく“数字”を残し続けるのみだ。
(取材・文 竹内達也)
