W杯出場をかけた大一番の1トップは「上田先発・前田ジョーカー」の必勝態勢で。中村敬斗のサプライズ起用もあるか【日本代表】
13日のメンバー発表会見の時点では不安要素の大きかったFW陣も、上田綺世(フェイエノールト)が元気そうな姿を見せ、森保一監督を安堵させた。ご存じの通り、2月の怪我からの復帰後、彼は公式戦でフル出場していなかったが、直近16日のトゥエンテ戦で90分プレー。2ゴールを挙げ、強烈なインパクトを残した。そのエースが満を持して戻ってきたのは、チームにとって間違いなく朗報である。
今季の公式戦42試合で28得点という凄まじいゴールラッシュを見せている韋駄天が控えていれば、スタメン確実の上田とは違った変化をもたらせる。バーレーン戦は今のところ「上田先発・前田ジョーカー」の必勝態勢で挑むと見てよさそうだ。
アジア相手の試合だと、どうしても人数をかけて引かれがちということで、最前線はハイボールやクロスで競り勝てるターゲットマンタイプを置いた方が戦いやすい。だからこそ、森保監督はこれまで上田と小川にこだわってきたのだろう。実際、2人は身体を張ってしっかりとボールをキープし、得点に至る起点として貢献してきた。
2シャドーの南野拓実(モナコ)や鎌田大地(クリスタル・パレス)、三笘薫(ブライトン)と堂安律(フライブルク)の左右のサイドを活かすためにも、やはり上田がいた方が連係・連動を踏まえてもスムーズだ。
最近のフェイエノールトでは、新指揮官のロビン・ファン・ペルシ監督から「ストライカーとして持つべきものを全て持っている」と絶賛され、最前線で起用されている。所属先でそれだけ大きな信頼を得ることができた今、上田自身も大きな自信を胸に日本代表戦に挑めるはず。
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進化を続ける上田の状態に問題がないことをトゥエンテ戦で確認できた以上、森保監督が先発から外すという選択をすることはない。ここはエース上田に日本の命運を託すはずだ。その彼にゴールが生まれれば、日本は苦しまずに勝てるのではないか。
仮に苦戦を強いられたとしても、前田の投入によって、小川とは異なる効果が期待できる。ご存じの通り、前田は最前線から積極的にハイプレスを仕掛けられる選手。高い位置でボールを奪えれば、すぐさまゴールという結果を生み出せる。
バーレーンの疲労が蓄積してきて、間延びする時間帯に韋駄天が入る効果はやはり絶大だ。今の彼なら、確実に得点を取ってくれるに違いない。
その2人で攻めあぐねるような状況は、今のところ想定しづらく、古橋亨梧(レンヌ)と町野は何らかのアクシデントが起きた時に備える形になる模様。古橋は裏抜けを強みとし、町野は多種多様なタスクをこなせる万能型。町野の方が使い勝手がよさそうだ。
しかしながら、2年間招集していなかった町野を序列にこだわる森保監督がいきなりピッチに送り出すかどうかは未知数。そのあたりの判断も気になるところだ。
むしろ、指揮官が会見で名前を挙げていた中村敬斗(スタッド・ドゥ・ランス)の1トップ起用というサプライズの方が、実際に見られる可能性が高いかもしれない。確かに所属クラブでの中村は堂々と最前線で攻撃陣を引っ張っているし、もともとFWの経験があり、ポテンシャルは十分にある。
昨年10月のオーストラリア戦で相手のオウンゴールを誘発するなど、今回の最終予選における貢献度は大きい。そういう期待を持ってトライするなら、前線の新たな化学変化が楽しみだ。
いずれにしても、第二次森保ジャパン発足時からFWのファーストチョイスと位置づけられ、2年間で14ゴールという目覚ましい数字を残してきた上田がキッチリと得点というタスクを果たし、日本を8大会連続W杯へと導いてくれればベスト。ファン・ペルシ監督の評価をさらに引き上げるためにも、代表でのさらなるゴール量産が不可欠だ。
3年前のオーストラリア戦で2ゴールを叩き出し、2022年カタールW杯への切符をもたらした三笘に負けじと、今回は背番号9が自身の存在価値を力強く示すべき。バーレーン戦で一段階飛躍した上田の姿を、我々の目にしっかりと焼き付けてもらいたいものである。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
