トルコ南部を震源とする大地震で被災したハタイスポル(トルコ1部)のガーナ代表MFクリスティアン・アツを巡り、情報が錯綜しているようだ。イギリス『BBC』が伝えている。

 アツは6日未明の大地震で倒壊した建物の下敷きになり、数時間後に救出されて病院に搬送されたことが報じられていた。しかし、代理人のナナ・セシェレ氏はSNSで「あなたも想像できるように、彼の家族にとっては信じられないくらい辛い時間が続いている。クリスティアンが生きて引き上げられたと昨日クラブから伝えられたが、我々はまだクリスティアンの所在を確認していない」と、まだ行方不明であることを明かしている。

 トルコ南部とシリア北部では、すでに1万人以上が死亡したことが確認されているという。

 ハタイスポルではアツとともにタネル・サフトSDの行方も分からなくなっており、ボルカン・デミレル監督はトルコのスポーツサイト『スポール・アリーナ』に「まだ何の情報もない。もし彼らが入院しているなら、それを教えてもらえると思わないか? どうか、彼が無事だと気を緩めないでくれ。彼が生き延びたとまだ書かれるべきではない」と語っている。

 また、駐トルコ・ガーナ大使のフランシスカ・アシエティ・オダントン氏はラジオ局『ジョイFM』に対し、アツの所在について「混乱」していると説明した。

「昨日、外務省から、クリスティアン・アツが発見・救助され、医療センターに送られたかどうかを確認したいとの連絡があった」

「しかし、救助された時点で救急車に乗せられ、病院に送られるという状況は理解できるが、この混乱の中で、どの病院や医療施設に送られたかはまだ分かっていない」

「今朝も外務省が、彼がどの施設に送られたのか熱心に調べており、できるだけ早く私に連絡することを確約してくれた」

 現在31歳のアツは過去にポルト、チェルシー、ニューカッスルなどを渡り歩き、昨年からハタイスポルに在籍。地震前日となる5日のカスムパシャ戦では、途中出場から土壇場で決勝ゴールを決めていた。