逆転勝利の陰で驚きの選手起用…中野雅臣がまさかのCBでの出場
所属チームではアタッカーやゲームメーカーとして活躍し、第二戦のベネズエラ戦では右のワイドトップでプレーをした。
CB起用を言い渡されたのは、チュニジア戦の2日前のことだった。そして、前日練習で初めてCBのポジションに立った。
「ほぼぶっつけ本番でした。でも、自分の中でチャレンジしたいと思った。決勝トーナメントも決まっていたので、思い切ってチャレンジしようと」
「相手が1トップで、CBのどちらかがフリーになるので、余裕を持ってボールを持てたし、運ぶこともできた」
前半終了間際に失点はしたが、後半に入るとラインコントロールやカバーリングも鋭さを増してきた。
「ボールを持っている相手選手が、蹴る状態なのか、それともボールを運ぶ状態なのかを意識して、裏をカバーするのか、足元でのインターセプトを狙うのかを考えながらやりました」
『相手を見る』という吉武監督のコンセプトをしっかりと実践し、時には味方のパスミスから生まれたピンチを、見事に読み切ってスライディングクリアするなど、目立ちはしなかったが、90分間、急造CBとは思えない働きを見せた。
「1回しか練習をしていない状態で臨んだ割には、僕的には凄く満足しているというか、意外とできるなという印象でした。これでパイが増えたので、これからの真剣勝負になる時、どっちを取るかのチョイスになった時に、選択肢が増えた」
吉武監督がこう讃えたように、2−1の逆転勝利の陰には、とんでもないぶっつけ本番を、周りの期待以上にやってのけた彼の存在があった。
文●安藤隆人

