小さい子どもを連れて初めて公園に行く「公園デビュー」は、母親にとって「社交」の場でもある。母親たちのグループができていることが多く、デビュー後も何かと神経を使う。人間関係に疲れ果て、公園に行きたくなくなる母親もいる。「公園うつ」と呼ばれ、子どもへの悪影響も心配だ。

   日本最大級の女性口コミサイト「ウィメンズパーク」には、子育てに関する悩みがたくさん書き込まれている。「公園デビュー」と検索すると290件近くヒットし、「緊張する」「母親グループが怖い」といった悩みが目立つ。

「つれていく気力もなくなっている」

   3歳の娘がいて、2人目を妊娠中だという女性。公園デビューはしたが、その後、社宅の敷地内にある公園や、少し離れたところにある公園にも子どもを遊びに連れて行っていない、と2009年4月に書き込んでいる。

   初めて社宅内の公園に行った時、母親たちのグループがあるのに気がつき、「なんだか遊びづらかった」からだ。それからは「つれていく気力もなくなっている」と打ち明ける。この女性は自身のことを「超人見知りな性格」だという。一方、娘は「かなり積極的」で、いろんな子どもと仲良くなることができる。そのため、時には謝ったりしなければならず、「すごく緊張してしまい、いやなのです」。

   公園は家の真下にあり、友達の声が聞こえると娘は外に出たがる。思いっきり遊ばせてあげたいし、公園にいけないのはかわいそうだとも思っている。それでも、「とても面倒で行きたくありません」。自身の気持ちのほうが勝っている状況だ。

   面倒になって行く気がしないのは、うつの症状に似ている。最近は子育て中の母親の間で、人間関係に疲れ果て公園に行きたくないという「公園うつ」が広がっている。

   メンタル・ジャーナリストでありハートセラピー所属の産業カウンセラーの大美賀直子さんは、

「人付き合いが面倒だとか、人と打ち解けるのが苦手といった、もともとの性格もありますが、そうでなくても公園うつになることがあります」

   と話している。

ひどくなると家に引きこもるようになる

   「公園うつ」は幼稚園に入る前の子どもを持つお母さんに多い。よちよち歩きを始めるといろんなことに興味を持ち始めるので、お母さんはなにかと注意して見ていないいけない。毎日のことでストレスが溜まりやすく、気持ちに余裕がなくなりがちだ。大美賀さんは、そんな状態だからこそ「公園うつ」になりやすいと見ている。

   公園では、たいてい決まったメンバーと顔を合わせる。子育ての悩みを話し合うなど、その場だけの付き合いをする分にはいいが、メール交換して深く付き合うようになると、面倒くさいと感じるようになる人もいる。ひどくなると家に引きこもるようになってしまう。

   大美賀さんは、

「子どもが幼稚園に入ると自分の時間が持てるようになり、気持ちの余裕も出てきます。それまでの間のことで、いつまでも続くものではないんです。それに子どもを成長させるために公園に行かせているのであって、お母さんはサポート役です。お母さん同士、入り込みすぎない関係をつくるのがいいですが、人間関係が面倒くさくなったら、公園に行く時間帯をずらしたり、別の公園に行ったり、ママ友からのメールの返信回数を減らしたりして、適度な距離を保つのもいいと思います」

   とアドバイスする。

   一方、「ウィメンズパーク」の書き込みによると、「公園に行きたくない」とか、「公園に行かなくなった」という母親は結構いる。

   自分から人の輪に入っていけない性格だという女性。たまに公園に行くと、母親たちのグループにぽつんといる自分がどう思われているのか気になって、すぐ帰ってしまう。そんな自分のことを「病気かな」とも思うほどだ。また、公園に行かなくても、毎日の幼稚園のお迎え時に母親たちと顔を合わせるのが「憂鬱でしんどい」そうだ。

   近所の公園に「通ったことがない」という母親もいる。わざわざ離れた場所にある公園に車で通っている。

   前出の大美賀さんは、

「歩き始めた子どもにとって、外で思いっきり遊ぶことは体力、筋力をつけるだけでなく、睡眠のリズムをつくるので、とても大切なことです。外に連れて行かなくなることだけはしないで欲しいと思います」

   と訴えている。

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