総菜のパッケージ・トレーも然り(C)共同通信社

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 中東情勢の悪化は、生鮮食品の流通事情にも影を落としている。

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 鈴木農相は28日の会見で、供給不足が懸念されるナフサ由来の農業・食品関連資材について「国全体では量は十分に足りている」との見解を示した。農水省は米袋や食肉包装フィルム、ハウス用ビニール、水産物の流通で必要な発泡スチロール箱など57項目について、流通実態の調査を進めている。

 ただ、政府はこれまで、ナフサが原料の塗装用シンナーなどについて供給不足を訴える声に耳を貸さず、「量は足りている」「目詰まりが起きている」の一点張りだ。農業分野などの資材も、本当に足りているのか。

 実際、足元では価格上昇や供給制限が見られる。例えば、JA全農は先月から、ナフサを原料とする農業資材を順次値上げするとしている。ハウス用ビニールについても、一部メーカーが新規受注停止を打ち出している。

「少なくとも、農業資材の供給に一部混乱が見られるのは間違いありません。農水省の見解は、実態と乖離していると見る向きもあります」(農水省担当記者)

 食料品の包装資材も、供給が不安定になりつつある。米袋メーカー大手のマルタカ(大阪市)は、1日の出荷分から15〜40%の値上げに踏み切る。また、一部商品がすでに品切れとなっており、入荷のめどもたっていないという。

「最近では米袋価格が上昇しているだけでなく、日を追うごとに手に入りづらくなっています。今後、状況が悪化すれば、コメの安定供給にも支障が出てしまう」(コメ流通業界関係者)

 他にも、積水化成品工業(大阪市)はプラスチックの一種「発泡ポリスチレンシート」を、先月21日出荷分から1キロ当たり120円値上げした。食品トレーやカップ麺の容器などに用いられる重要な素材だが、今後の状況次第で追加の値上げや出荷数減の可能性もあるという。

 包装コスト上昇による生鮮食品の値上げも心配だが、そもそも輸送が滞る恐れがある。

「流通段階では通常、魚や野菜が傷つかないようにするなど包装を工夫し、食品の鮮度を保っています。資材不足で適切な包装ができなければ、輸送中の鮮度にも影響します。そもそも、包装資材がなければ出荷さえできなくなる食品もあり、食料の流通事情が悪化する可能性があります」(前出の農水省担当記者)

 食卓への影響は大きい。

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