治安関係者「1日数百件の凶悪な暴力事件が発生」…社会不安の高まりも納得の中国の厳しい経済事情
前編記事『裏でのイラン武器供与がばれ、大手石油企業は経済制裁…中国がパンダに頼ってまでアメリカと仲直りしたいワケ』で見てきたように、中国民営大手石化企業の一つである恒力石化が制裁を受けるなど、米国による中国への攻勢が強まっている。肝心の国内経済も厳しいままだ。経済の屋台骨を担ってきた産業界も苦しい状況に立たされている。
徹夜で並んで……
中国国内に目を転じると、不況の元凶である不動産市場で異変が生じている。
4月に入り、不動産バブル時のようなマンション購入のために客が徹夜で行列する事例が相次いでいる。大幅に値下げされた新築物件が先着販売されていることが要因だ。当局は不動産価格の下落を防ぐため「投げ売り」を禁じてきたが、資金繰りに苦しむ不動産企業が「禁じ手」を打たざるを得ない状況に追い込まれていることの証左だ。
不動産価格が急落すれば、中国の金融システムも傷む。年初からわずか3か月で72の地方銀行が姿を消しており、大手銀行への波及は時間の問題だろう。
ドローンもダメ、ロボットもダメ
頼みの綱の製造業もこのところ、ほころびが目立つ。
中国では24日から北京国際自動車ショーが開催されているが、薄利多売の状況下での原材料高が災いして、自動車各社の業績は悪化する一方だ。
中国政府が推進している「低空経済(高度1000メートル以下の低空域での経済活動)」の担い手であるドローン産業も苦境に陥っている。北京市が5月からドローンの飛行を全面禁止するため、大手ドローン企業DJIの直近の売り上げが50%近く減少した。
中国のヒト型ロボットブームは世界的に有名になっているが、その陰でトラブルも常態化している。このため、技術の先進性をアピールしていた官製メディアも論調のトーンダウンを余儀なくされている。
筆者が注目したのは、中国の3月の25〜29歳の失業率が7.7%と急上昇したことだ。昨年3月に比べて0.5ポイント上昇し、約2年前に雇用データが見直されて以降で最高水準となった。
高まる国民の不満
25〜29歳はこれまで、雇用主にとって魅力的な人材層とみなされてきた。だが、「この年齢層はAIが労働市場にもたらす悪影響を受けやすい」とされており、中国ではこれが既に現実化しているのかもしれない。
16〜24歳の年齢層の失業率の高さは知られているが、その上の年齢層まで雇用難に陥れば、中国の政情不安リスクは高まると言わざるをえない。
政府の報道規制により実態が掴めなくなっているが、中国での社会報復事件(無差別殺傷事件)が再び激化しているようだ。
中国メディアは22日、「広東省恵州市の市民の憩いの場で、男が刃物で通行人を次々と刺す事件が発生した」と報じた。
「事件は散発的ではない」との指摘もある。
真偽のほどは定かではないが、「中国では1日あたり数十〜数百件の凶悪な暴力事件が発生している」との治安関係者の証言も流れている。
日本にとって厄介な隣国の動向について、引き続き高い関心を持って注視すべきだ。
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