池田瑛紗

写真拡大

5期生の池田瑛紗

 乃木坂46の41枚目シングル「最後に階段を駆け上がったのはいつだ?」(4月8日リリース)でセンターに選ばれた5期生の池田瑛紗は、東京藝術大学に在籍し、才媛ぶりでも足跡を残してきた。妥協せずに二兎を追い続ける姿勢は 、 坂道ファンのカテゴリーを越えて一目置かれている。【大宮高史/ライター】

 ***

【写真】美脚スラリ、抜群のスタイル…乃木坂46新センター・池田の全身ショット

 2月現在で36人が在籍する乃木坂46だが、表題曲センターを務めたことがある現役メンバーはこれまでに6人にとどまる(遠藤さくら・賀喜遥香・井上和・中西アルノ・瀬戸口心月・矢田萌華)。7人目が池田で、しかもダブルセンターではなく単独センターに決まった。

池田瑛紗

 2002年5月生まれの池田は、高校時代に乃木坂46の西野七瀬の影響でファンになり、21年に5期生オーディションを受けた時は高校を卒業して浪人中だった。坂道シリーズ史上でも最高レベルの倍率7987倍をくぐり抜け、5期生11人の中で最年長メンバーとして加入する。

 当時からアニメ好き、特技の絵の上手さもアピールポイントにしていたが、ファンを驚かせたのが2023年3月、2浪の末の東京藝大合格を公表したこと。アイドル1年目も諦めずに受験を続けられたのは、学業継続を勧めてくれてスケジュールにも配慮してくれた事務所のスタッフのおかげでもあると、ブログでつづっている。

 この浪人期間中もそれ以降も、乃木坂46で毎年恒例の「バースデーライブ」や「真夏の全国ツアー」は一度も休演したことがない。表題曲の選抜メンバーにも9作連続で選ばれているが、選抜メンバーになると大型ライブや音楽番組でパフォーマンスする楽曲も増える。それでもめげずに学業と乃木坂46のハードスケジュールを両立できるバイタリティを持っている。

 また、ブログの更新回数がメンバーの中でもトップクラスに多い。ほぼ毎日のペースで更新していた時期もあり、できるだけ自分の言葉で日々思っていることを伝えようとする気持ちが顕著だ。東京藝大合格という努力と知力の成果を知らされると、言葉にもこだわる細やかな感性にも納得してしまう。

 ソロでの仕事としては、1年目の2022年10月からTOKYO MXで「小峠英二のなんて美だ!」のレギュラーを務めている。番組は「日本一敷居の低いアートバラエティ番組」をコンセプトに、世の中の様々なものにアートの要素を見出していくバラエティで、池田や小峠が毎回その道の専門家とトークしていく。時々MCから前振りで振られた問いに本質を突くコメントで返すこともあり、番組を盛り上げている。

昨年は初の個展

 彼女の創作意欲は、昨年11月から12月に開催の初めての個展「Wings:あひるの夢」でも結実した。ブログでつづってきたことをモチーフに、様々なアートの技法を通じて、乃木坂46にかける思いを作品に昇華させた。チケットは前売りから異例の完売となり、涙をのんだファンも少なくなかった。

 芸術とアイドル、両方を追求する二刀流ぶりをファンに示すことで、自分への責任感と強みにもしているようでもある。CM出演も続き、昨年の「サムライマック」CMでは「二兎を追ってもいいじゃないか。」篇とのタイトルで堺雅人と共演し、二つに分かれた道の前で堺から「二兎追う者は一兎をも得ず、そんな常識、君が壊しちゃえばいいじゃないか!」と声をかけられる。明らかに池田の経歴にフィーチャーしていないとできないCMだった。

 SNSの活用にも敏感で、インスタグラムで漫画『チェンソーマン』に登場するレゼのコスプレをして踊った動画を投稿したところこれが大拡散、いわゆるバズりを引き起こした。

 機転のよさが活きるトーク力は、テレビ番組でも発揮される。TBS系「サンデージャポン」の2月15日放送回では、先の衆議院議員総選挙で躍進した「チームみらい」の安野貴博党首に「今回の総選挙で政局に影響力を持つ立場になったと思われますが、どこかの政党と組んだりといった展望は?」と質問。「与野党問わず、積極的に」と答える安野氏に「可能なんですか?」と再び聞き、「参院で私1議席でも超党派の勉強会などでやってみて、やろうと思えばできるかなという感触はある」という答えを引き出した。

 テレビ、SNS、ライブ、ファンに向けての文章や作品と、どの局面でも求められることに着実に応えられる資質があり、それは現役藝大生あるいは乃木坂46の看板に安住しないガッツの持ち主であることを示している。こうした弛まぬ努力の末に、加入から5年目にして、憧れの存在である西野七瀬も務めた表題曲センターの座を掴んだ。

 もちろんここまでに至るには、進学を後押しし今でもサポートしている事務所やスタッフの寛容さも忘れる訳にはいかない。ほかにも大学生活と芸能活動を両立しているメンバーは坂道に少なくなく、当人の人生・アイドル卒業後のキャリアのために学業も支える姿勢が、運営サイドに一貫している。アイドルとして「二兎を追う」のがプラスになるのは池田だけでなく、むしろそれが当たり前の時代がやってくるかもしれない。

 音楽、芝居、モデル、笑いにトーク、エッセイ……と何にでも挑戦する池田が今後、どんな活躍を見せてくれるのか。アイドルという職業の可能性を、身をもって示してくれるチャレンジャーでもある。

大宮高史
エンタメでは演劇・ドラマ・アイドル・映画・音楽にまつわるインタビューやコラムを執筆。そのほか、交通・建築など街ネタも専門分野。

デイリー新潮編集部