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休日はあるのになんとなく疲れがとれず、悩んでいる人はいませんか? 精神科医Tomy先生は「休み上手になれば人生がラクになる」と語り、心身を回復させる休み方をマスターすることを勧めています。今回は、精神科医Tomy先生の著書『精神科医Tomyがやっているほぐれる休み方』から一部を抜粋し、先生自身が実践している休み方のヒントをご紹介します。

【書影】Tomy先生の心と体がほぐれる休み方指南。精神科医Tomy『精神科医Tomyがやっているほぐれる休み方』

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意外な盲点、「疲れ」と「部屋」の関係

なかなか疲れがとれないという方。実は家の環境を見直すことで、もっと疲れがとれやすくなるかもしれませんよ。

関係ないように聞こえるかもしれませんが、実は部屋が散らかっていると疲れがとれにくいんです。視覚情報が多すぎると脳が無意識にそれらを処理しようとして、疲れてしまうんです。ですから、目の前に物が散乱していると、脳は「ここにこれがある」と認識して処理を始めてしまうので、疲れやすい環境になってしまいます。逆に、シンプルで物が少ない部屋だと、処理する情報が少なく、疲れにくい環境になるんですね。

さらに、物が散らかっていると、必要な物を取り出すのに時間がかかったり、余計なストレスが増えたりします。だから、部屋に物をあまり置かないというのは、疲れをとるための鉄則です。掃除が苦手な方もいると思いますが、そういう方はまず物を減らしましょう。

使い道がすぐに見つからない物は、溜め込まずにその場で捨てるくらいの気持ちでいいんです。たとえば、私も先日、出先で可愛らしい紙袋をもらったのですが、「これを使う場面が想像できない」と思ったので、すぐ捨てました。もったいない気持ちもありますが、ありがとうと言って手放すんです。溜め込んでから整理するのは大変ですから。

光の状態や温度も見直して

部屋の光の状態も案外重要です。照明には暖色系と寒色系の光があります。寒色系の白っぽい光は作業や勉強には適していますが、リラックスしたり疲れをとったりするのには向いていません。白っぽい光は交感神経を刺激するので、活動的になりやすいんです。

一方、くつろぐときには、暖色系の少し暗めの光がおすすめです。人間の体は夕方から夜にかけて副交感神経が優位になり、休息モードに入るので、薄暗い暖色系の光がリラックスに適しています。

寝室やリビングでは、明るすぎる光を避け、暖色系の照明に調整するといいでしょう。ただし、仕事や勉強をする場合は、暖色系だと眠くなってしまうので、適度に明るい光を選ぶのがいいですね。また、寝る前にギリギリまで作業をするのは避けたほうがいいかもしれません。

さらに、部屋の温度なども大切ですね。暑すぎたり寒すぎたりすると、交感神経が刺激されて疲れがとれにくくなります。快適な温度を保つよう意識するだけでも、かなり違ってくるんですよ。寝具の質も見逃せません。ベッドやマットレスが体に合っていないと、睡眠の質が下がります。

こうやって考えると家の中って、実は見直せる環境だらけなんですよね。この他にもいろいろできることはあると思います。少しずつマイナーチェンジを繰り返していって、「より疲れのとれやすい家」をつくりあげていけるといいですね。

以前みたいに熟睡できない、そんなときは

睡眠に効くサプリっていろいろ出ているようですね。しかし、医薬品に比べると寝つきの効果ってけっこう弱く、正直効かないことが多いと考えてもらったほうがいいかもしれません。

もし、非常に効くものであれば、処方箋が必要になるはずですから、処方箋がないということは、それなりのものなんですね。不眠というのは立派な、そして深刻にもなりうる症状ですから、日常生活に支障を来たすのであれば、早めの精神科の受診が必要です。

睡眠薬に関しても、いろんなタイプがあって、最近は依存性が少なくて効果がよいものも出てきました。ですから「睡眠薬は怖い」と決めつけず、しっかり医師と相談しながら対処することが大切です。


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「そこまではいかないけれど、寝つきが悪くて、なんとかしたい」という方は、まず自律神経を意識するとよいかと思います。自律神経というのは、大雑把に言うと「意識することなく、身体機能の調整を行う神経」のことです。たとえば、緊張すると血圧が上がり、脈や呼吸も速くなります。でもこれは意識してやっているわけではないですよね。これが自律神経の機能です。

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経は、体を活動的にするもので、主に午前中に強く働きます。一方で副交感神経は、体を休め、リラックスさせるもの。これは午後から働き始め、夜の睡眠に向けて体を導いていくのです。睡眠が得意ではない人は、この交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいっていない人が多いですね。

具体的には、夜遅い時間に頭を使うような作業をしたりとか、激しい運動したりなどをしないこと。そういったことをしてしまうと交感神経が刺激されて、眠りにくくなってしまうんですね。

規則正しい生活で自律神経のリズムを整える

そして、規則正しい生活も有効です。決まったリズムをつくることで、自律神経のリズムが整えられるんですね。

このあたりのことは、厚生労働省が「睡眠障害対処12の指針」というものを2001年(平成13年)に作成しています。とても参考になると思うので、いくつかご紹介します。

・刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
・同じ時刻に毎日起床
・光の利用でよい睡眠
・規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
・昼寝をするなら、15時前の20〜30分
・睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと

この対処法は、実は不眠治療のガイドラインでも、最初に「睡眠衛生指導」として行うことになっているんですね。それでも改善しない場合に、薬物療法を検討することになっています。

それだけ生活習慣の見直しは有効だということなんですね。

※本稿は、『精神科医Tomyがやっているほぐれる休み方』(大和書房)の一部を再編集したものです。