捕手のイメージを激変させる“革命” 甲斐拓也も師事…敏腕コーチが推奨するリズムとの融合
鷹の2024年春季キャンプでキャッチングコーディネーターを務めた緑川大陸氏
野球で最も過酷なポジションと言われる捕手のイメージを変えたい。「ビタ止め捕手」として注目を浴び、子どもからプロ野球選手まで幅広く指導する緑川大陸氏。2024年にソフトバンクの春季キャンプでキャッチングコーディネーターも務めた33歳は「もっと自由に。今までの枠組みを変えていきたい」と、“捕手革命”を起こそうとしている。
打者を抑えれば投手が褒められ、打たれれば指導者に怒られるーー。キャッチング、ブロッキング、スローイング、配球の組み立てなど、捕手は特殊で大変なポジションだが、スポットライトを浴びることは少ない。緑川氏も「理不尽なことが多く、心が折れるポジション。選手によってはやりたがらないこともある」と語るなど、マイナスなイメージを持たれがちだ。
「日本の良いところ、悪いところでもあるのですが役割を与えられ過ぎています。グラウンド上の監督などと言われていますが、指導者や監督の目を気にしている。怒られないようにプレーする選手がほとんどで、それではいつまでたっても技術は向上しません。常にボールに触れるポジションは捕手しかない。もっと楽しんでプレーする選手を増やしていきたい」
緑川氏を一躍有名にしたのが、今年から巨人に移籍した甲斐拓也捕手の存在だ。依頼を受け、ソフトバンク時代の2023年から自主トレを共にし、「フレーミング」など様々なスキルを伝授。2年目の2024年には「目に見えて技術が変わりました」という。共に自主トレをサポートするスポーツリズムトレーニング協会マスタートレーナーの関元崇志氏が取り入れた「リズム感」だった。
甲斐との自主トレで気づいた“相性”…「リズムと捕手が結びつく瞬間」
内外野手は打球が来る前からステップなどを踏み準備できるが、捕手は「無の状態」からスタートする。捕手も「リズム」を加えることで予備動作が生まれ、プレーの幅が広がっていくという。
リズムトレーニングなどを取り入れた自主トレメンバーの“変化”を目の当たりにした2人は、「リズムと捕手が結びつく瞬間があり、相性の良さに気づいた」と意見が合致。リズムとキャッチャースキルを融合させた独自の育成法をアマチュアにも還元していくことを決めた。
「もちろん、捕手はきつい仕事なのは変わりません。きついことから逃げて、楽しいだけじゃレベルアップしない。ただ、そこにどうアプローチしていくか。選手だけでなく捕手を指導する人たちも変わっていく必要があると思います」
昨年3月からキャッチャースキルに特化したリアルイベント「super fun キャッチャー」をスタートさせ、今年も5月24日に東京都内で開催する。「トレーニング自体はハードですが、全力で楽しみながら挑戦する。捕手の魅力をもっと知ってレベルを上げてほしい」と緑川氏。これまであったイメージを変え、トップレベルで通用する捕手を育成していく。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
