コカ・コーラは毎年クリスマスの到来を告げるホリデーシーズンCMを年末に公開しています。2024年11月に公開したホリデーシーズンCMは生成AIで生成した動画を基に作られたのですが、SNS上で大きな反発を受けています。

Remember the iconic Coca-Cola ad from the 90s with the long caravan of illuminated Coca-Cola trucks? What if we brought it back, using Artificial Intelligence? Actually… what if we made it… bigger?

https://www.silverside.ai/projects/1

Coca-Cola’s first AI TV commercials for holidays, Christmas | Ad Age

https://adage.com/article/digital-marketing-ad-tech-news/coca-colas-first-ai-tv-commercials-holidays-christmas/2591886

Coca-Cola turns to AI for its Christmas ad in 2025 - sparking mixed reactions | Tom's Guide

https://www.tomsguide.com/ai/ai-image-video/coca-cola-turns-to-ai-for-its-christmas-ad-in-2025-sparking-mixed-reactions

Coca-Cola causes controversy with AI-made ad

https://www.nbcnews.com/tech/innovation/coca-cola-causes-controversy-ai-made-ad-rcna180665

Coca-Cola Facing Intense Backlash for AI Christmas Ad

https://www.breitbart.com/tech/2024/11/19/coca-cola-facing-intense-backlash-for-ai-christmas-ad/

今回コカ・コーラが発表したホリデーシーズンCMは複数あり、以下でその一作品を見ることができます。

The Holiday Magic is coming. - YouTube

このホリデーシーズンCMは、Secret Level・Silverside AI・Wild Cardという3つのAIスタジオがLeonardo・Luma・Runway・KlingというAIを用いて、1995年に公開された「Holodays are coming」というホリデーシーズンCMをオマージュして制作したものです。CM制作には従来の方法だとおよそ1年かかるのが、AIを使ったことで制作期間は2カ月程度だったとのこと。

Secret Levelの創設者であるジェイソン・ゼイダ氏によると、動画だけではなく、テキストや画像、音声もすべて生成AIで制作されており、特にCM制作中に発表されたKlingは人間の動きをよりリアルに見せるのに役立ったとのこと。ゼイダ氏は、AIの進化は日進月歩で、過去のモデルにあった不具合や不安定な部分が解消されているものの、まだ完璧ではないと述べています。

コカ・コーラがCMにAIを使うのは今回が初めてではなく、2023年3月にはOpenAIと提携し、GPT-4とDALL-Eを組み合わせた「Masterpiece」というタイトルの映像を発表しています。コカ・コーラはAI技術を活用したアート作品を制作するためにアーティストと提携し、社内には生成AI担当のグローバル責任者もいることを明かしました。

Coca-Cola® Masterpiece - YouTube

コカ・コーラの広報担当者は声明で、「コカ・コーラは何十年にもわたり、世界中でコンテンツ、映画、イベント、小売店でのプロモーションを通じて、ホリデーシーズンの魔法を捉えてきた長い歴史を誇っています。私たちは常に消費者とつながる新しい方法を模索し、さまざまなアプローチを試しています。今年は、人間のストーリーテラーと生成AIの力を組み合わせて映像作品を制作しました。コカ・コーラは、人間の創造性とテクノロジーが交差する最高レベルの作品を生み出すことに、これからも献身し続けます」と述べました。

しかし、このコカ・コーラのホリデーシーズンCMが生成AIで制作されたことについて、多くの批判が寄せられています。IT系ニュースサイトのTechRaderは「AIによって作られた魂のない不気味なディストピアの悪夢」と評しました。また、X(旧Twitter)では、コカ・コーラのホリデーシーズンCMに対する批判コメントが、主にクリエイターから多く投稿されています。

「私は自分のアート作品はすべて人間が制作したものであってほしいのです。AIアートは人間がすでに作ったものの単なる繰り返しです。そこには独創性も魂もありません」



コカ・コーラのロゴをすべてのフレームで正確に表示するためには膨大なポストプロダクションが必要です。膨大な量のポストプロダクションをアニメーターに依頼したという事実を隠すのは誤認広告であり、非常に不誠実な行為です」



「AIは新しいアイデアを生み出すことはできず、単に以前に作成されたものを組み合わせるだけだということを示す素晴らしい例です。ええ、これはコカ・コーラのクリスマスCMを粗悪に模倣した典型だと思います」



「これは今まで見た中で最も魂のないクリスマス広告です。なんてことだ、これはおそらく昔の広告の真逆に近いものです。これはひどい」



「2024年を振り返ると、それはSlop(粗雑なコンテンツ)の年でした。あらゆる文化がSlopに支配された年でした。GoogleはSlopになりました。Slopがジャーナリズムを圧倒しました。AIによるSlopだけでなく、『CONCORD』のようなSlopも、映画『ボーダーランズ』のようなSlopもありました。SlopなCEOがSlopな大統領を選出させました」



ホリデーシーズンCMに携わったSilverside AIのエンジニアであるクリス・バーバー氏のポストにはコミュニケーションノートが複数提案されていますが、「AI『アート』はアートではありません」「技術的にはAIが生成したものを『作成』することはできません。AIは人間が作成した多くの映像や画像でトレーニングしているため、AIで生成されたものはAIによって作成したものではありません」といったAI反対派の意見や、それに対する「コミュニティノートは哲学的な意見を書くためのものではなく、ロボットが自動車を作るように、AIも芸術作品を作るのです」「コミュニティノートは些細な理由で人を罵倒するためのものではありません」といった提案もあり、混迷を極めている状態でした。