想像したくないけれど恐らく確実な近未来…

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同時罹患・同時流行の可能性アリ

 新型コロナウイルスへの感染者が激増する中で、官邸が最も恐れるシナリオが「新型コロナとインフルエンザ」が同時流行することだという。秋以降じわじわと増え続け年間1000万人が感染するインフルに加えて、ワクチンの存在しない新型コロナの流行が追い打ちをかける……。かなりの確率で想定できる同時流行・同時感染について、対策はあるのか?

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「安倍さん(晋三首相)以下、主として担当する北村さん(滋・NSC局長)や和泉さん(洋人・補佐官)ら官邸スタッフはみな、頭を抱えています。秋以降の新型コロナとインフルエンザが“バッティング”することがほぼ確実な中、具体的な対応策は見えず。“政府お抱え”の感染症対策分科会の尾身さん(茂・会長)からも明確な回答はあがってこないようで……」

想像したくないけれど恐らく確実な近未来…

 と、官邸関係者。

「もちろん煽ったりするのはよくないですが、リスクを認識し、それにどうアプローチするのかを考えるのは“基本のキ”じゃないですか。正直、GoToトラベルなんかは現実の深刻さから目をそらし、お茶を濁そうとしているように映ります」

 まず、新型コロナとインフルの同時感染についてだが、厚労省関係者に聞くと、

「もちろん可能性はありますし、官邸も把握していますよ。中国・武漢大学人民病院の調査結果でも、そして日本でも両方に同時罹患した例がありました」

 その場合、どれくらい重症になるのかなどはわかっていないが、軽症になるというのは考えにくい。厄介なのは、2つの初期症状にはかなり共通点があるということだ。

「症状が出て病院へ行って、そこでどんな対応になるのか、ですよね。インフルの検査キットは軽便なので、とりあえずそちらをやってみるというやり方はあるのかもしれませんが、その結果だけで、新型コロナに感染しているか否かは判断がつかない。医療現場にとって相当悩ましい事態です」

同時判定可能なPCR検査は存在する

 もっとも、

「2つの感染を同時に判定できるPCR検査は存在していて、保険適用も始まりました。検査にかかる時間も50分ほど。あるいは、富士レビオの抗原検査キットに使う検体処理液を用いることで、新型コロナとインフルのいずれかにかかっているかを短時間に判定できるという発表がありました」

 我々ができる“予防策”というのは?

「これをすれば間違いないということは申し訳ないですがありません。ただ、いくつかやっておいた方がいいということはあります。まず、インフルのワクチン接種を受けるということ。少なくとも同時罹患リスクは減らせます。それと、当たり前ですが手洗いうがいの励行ですね」

「昨冬から2020年3月末までの全国のインフル累計患者数は約413万人で、前年同期の約1064万人からは激減しています。新型コロナ感染対策でみなさんがこれまでにないレベルで予防を徹底した結果でしょう」

 要するに、打つ手なし、ということなのだろうが、こんなケースも考えられるという。先の官邸関係者によると、

「たとえばですけれど、試験を控えた受験生はPCR検査を受けることに二の足を踏むでしょうね。高熱が出て歩けないとかだったらムリですが、微熱程度なら黙って受験する可能性がある。そしてそこで新たな感染者が生まれることもあるはず」

「官邸としては、“withコロナの時代だから、かかっても仕方ない、慣れていきましょう”というムードを作りたかったんですが、それがうまく行っていない。そうなれば経済もうまく回っていくはずなんですが……。あと、緊急事態宣言を解除した後に、“afterコロナ”という言葉を政府側が使ってしまったこと。それも国民を油断させてしまったかもしれません」

週刊新潮WEB取材班

2020年7月30日 掲載