3ナンバー化はマイナスじゃない!

 今回の新型カローラセダン&ツーリングでは、セダンやステーションワゴンでは初めてとなる、3ナンバーワイドボディとなったことが話題となっている。5ナンバーサイズでなくなったことへの批判的な意見も多いようだが、30年以上もカローラに乗り続けてきた筆者としては、“なるべくしてなった”という気持ちもあり、肯定的に受け止めている。すでに新型セダンを購入した筆者が、新型のどこを気に入ったのかをお伝えしよう。

1)3ナンバーサイズとなった

 10代目が全長を延ばしたことで、ユーザーから“大きい”との声が多数寄せられた。そこで11代目では異例のサイズダウンを行なっているが、それでも5ナンバーサイズであっても全幅が1695mmあることで“大きい”とするユーザーもいた。初代の全幅は1485mm、以降2代目1505mm、3代目1570mm、4代目1610mmと順調にワイドボディとなってきたカローラの全幅が1695mmになったのは、2000年にデビューした9代目からとなるので、カローラ全体の歴史から見れば最近のことともいえる。

 つまり10代目や11代目でも一部ユーザーは“ボディは大きい”と感じているのだ。その意味では長年乗り継いできた筆者から見ると、ことさら世間ではカローラの3ナンバー化が物議をかもしているようにも見える。だが、カローラが5ナンバーでなければならないとするのは、“上から目線”の発言のようにも聞こえてくる。

 いままでのメインユーザーより若ければ、よほどのワイドボディとならない限り3ナンバーサイズにそれほどアレルギー反応はないともいえよう。3ナンバー化することで走行安定性が増すならば基本的には歓迎している。

2)かっこ良くなった

 いま乗っているアクシオ(11代目)は原点回帰ということで、ボディサイズだけでなく、視認性など、とにかく実用性重視で開発されたモデル。そのため使い勝手は非常に良いのだが、遊び心はいまひとつで、お世辞にも“かっこいい”とは言えない見た目でもあった。

 しかも世界市場向けモデルと国内仕様では、車名以外完全に別仕様となっていた。そのため新型は国内専用サイズとはなっているものの、グローバルモデルとの共通性があるモデルとなったのも、迷うことなく代替えを決めた部分でもある。さすがに車名だけカローラというのは、海外でグローバルカローラを見るたびに寂しい思いになっていた。

過去に採用されていた装備も復活!

3)6スピーカーが設定された

 カローラはほぼ一貫してモデルチェンジのたびに質感を上げてきたモデル。ただ11代目では実用性重視に大きく舵をきった。10代目まで上級グレードでは6スピーカーが選べたのに、11代目ではすべてのグレードが4スピーカーのみとなったのもショックが大きかった。新型では6スピーカーが復活したのもまさにウエルカム。

4)ワクワク装備が目立つ

 11代目ではデビューしたときに、最新トレンド装備の採用がほとんどなかった。今回はディスプレイオーディオをはじめ、消費者目線でいけばワクワクするような最新トレンド装備がふんだんに採用されているのも、予約発注を後押しさせている。

5)ダッシュボードがソフトになった

 7代目でセルシオ並みのソフトパッドをダッシュボードに採用していた。その後も筆者が所有した9代目や10代目ではソフトパッドをダッシュボードの一部に採用していたのだが、11代目では全面的にプラスチッキーな硬いものとなってしまった。しかし12代目では7代目レベルの復活ともいえるソフトパッドが採用されている。海外仕様のグローバルモデルで初めて触ったときの感動は、いまも覚えている。

 日本車が優秀なのは世界共通認識なのだが、世界に広く車名が知れ渡る日本車の数は結構限られる。カローラは数少ないグローバルネームの日本車となる。そして12代目で国内仕様でもグローバルモデルの流れを汲むようになったのが、何よりもうれしかった。