中国メディアは、広東省珠海で行われた飲酒運転取り締まりでの出来事について報じている。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本では飲酒運転による交通事故は、重大事故が発生するたびに社会問題化してきた。連日のマスコミ報道や飲酒運転厳罰化の効果などにより減少し、飲酒運転による死亡事故は2000年前後には1,200件を超えていたものが2009年には300件を下回るに至った。現在では、飲酒運転が原因で起こる重大事故の報道は、珍しいものになってきた。

 ところが、未だ飲酒運転による重大事故が絶えない中国では、飲酒運転の危険性を訴える報道が頻繁に行われている。中国メディアの江蘇新聞はこのほど、広東省珠海で行われた飲酒運転取り締まりでの出来事について報じている。

 同記事によれば、8月11日早朝に行われた飲酒検査において運転手の呼気から20mg/100mlのアルコールが検出されたという。すると、助手席から降りてきた女性が「お酒を飲んだのは私。彼は飲んでいない。私にキスをしただけ」と言い放った。交通警察の警官は「いったいどのくらいキスしたんだ。体内のアルコールをすべて吸い取るくらいにかい?」と問うたそうだ。

 そして、運転手に対し、「異議があるのならば血液検査をすることもできる」と言うと、運転手は、「8月9日の夜から10日の朝にかけて酒を飲み、今朝(11日)女性友達に酒を飲みすぎたので迎えに来て欲しいと頼まれたため運転した。1日経ってもアルコールが抜けないとは思わなかった」と飲酒を認めた。運転手は罰金2,000元と免許停止6カ月を科された。

 同記事は、「飲酒運転は絶対にしてはならない。このニュースは我々に飲酒検査のときにイチャイチャしても役に立たないことを教えている」と結んでいる。

 世界で交通事故が最も多いともいわれる中国では2011年の道路交通安全法改正等飲酒運転厳罰化などの努力が行われており、この記事も、読者の興味を惹く内容にすることで飲酒運転根絶に向けた啓蒙を図ることを狙ったものと考えられる。(編集担当:猶木縁一郎)(イメージ写真提供:123RF)